Friday, August 7, 2020

NHK経営計画 視聴者への配慮足りぬ - 東京新聞

 NHKが次期経営計画案を公表した。事業縮小を強調した内容だが、追加の受信料値下げは見送られた。肥大化懸念が依然払拭(ふっしょく)されない中、視聴者への配慮をより強く意識した改革の実行が必要だ。

 計画案は二〇二一〜二三年度を対象としている。衛星放送やAMラジオのチャンネル削減と、構造改革による六百三十億円程度の支出削減が柱だ。

 ただ肝心の新たな受信料値下げについては棚上げされた形になっている。受信料は今年十月に引き下げられることがすでに決まっている。

 だが、その後にチャンネル数を削減するのであれば視聴者へのサービス低下を意味する。同時に受信料も下げるのが筋だ。さらに削減内容や理由を視聴者に説明し理解を得る必要があるだろう。

 NHKは特殊法人であり法人税を払う義務がない。一方、受信料収入を得ることができる。その額はここ数年、年七千億円を超えている。

 あたかも税金のように受信料が徴収される仕組みについて疑問視する声は少なくない。しかし一七年に最高裁判所で「受信料は合憲」とする判断が出て以降、受信料の支払率は高まり昨年度は過去最高の83%を記録した。

 NHKが全国の民放と比較して格段に有利な財務環境に置かれているのは間違いないだろう。

 だが今回の計画案では、取引額が膨らんでいる子会社との関係にも十分な改革案が示されなかった。コスト削減への姿勢が甘いと言わざるを得ず、民放から「民業圧迫」との声が出るのも当然だ。

 権力との関係についても指摘したい。NHK経営委員会のメンバーは国会の同意の上で首相が任命するが、番組内容への介入は放送法が禁じている。

 だが、かんぽ生命の不正販売報道をめぐり、日本郵政から抗議があった後、経営委が当時の上田良一会長に対し番組内容について厳重注意した。今回の計画案とは別に、かんぽ報道をめぐる経緯についても一層の説明が必要だ。経営委と会長とのやりとりなどをより丁寧に説明しなければ「介入があったのでは」との疑念は払拭できないだろう。

 NHKの予算は国会の議決が必要だ。今後の国会審議でNHKの抜本的な体制改革に踏み込んだ議論も強く期待したい。同時に安易な事業削減が、国際的にも評価が高い良質な番組の喪失につながらないよう併せて留意すべきだ。

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