Sunday, December 15, 2019

【八王子】香りを楽しむ知的な遊び「香道の魅力」 - ショッパー


華道、茶道と並び、日本の三大遊芸と言われる香道。

香道の世界について、国文学研究資料館博士研究員で、「八王子香の会」会長でもある武居雅子さんに伺いました。

武居 雅子さん(国文学研究資料館博士研究員、八王子香の会会長)

香道について教えてください


お花を楽しむのが華道、お茶を楽しむのが茶道のように、香りを楽しむのが香道です。

決められた作法のもと、香木(こうぼく)と呼ばれる木のかけらを間接熱で温め、くゆらせます。

その香りを頼りに、香木の種類を聞き(嗅ぎ)分けることを「聞香」といい、香道の楽しみ方の基本となります。

香木とは、倒れた木が、土壌や湿度、真菌類の影響を受けて、長い年月を掛けて樹脂化したもので、熱すると香気を発します。

東南アジアの湿地帯でしか産出されない大変貴重なもので、6種類に分類されます。

香木の種類
・伽羅(きゃら)
・羅国(らこく)
・真那賀(まなか)
・真那蛮(まなばん)
・佐曽羅(さそら)
・寸門多羅(そもんたら)

また、香木の持つ香りの特徴を「甘い・酸っぱい・辛い・苦い・塩辛い」という味覚で表現します。

嗅覚と記憶の中の香りのイメージを頼りに、香木の香りを味わい、楽しむのが聞香です。

具体的には、どのように楽しむのですか


まず、香をたきます。

灰が入った湯飲みほどの香炉に熱した炭団を埋め、作法に従い整えます。

火気が通る道(火窓)を開けたらその上に雲母の板(銀葉)を水平にのせ、その中央に香木をのせます。

香道具


香炉を手に持ち、鼻に近づけ、静かに香りを吸い、静かに吐く。

これを3回繰り返して香りを味わいます。

何種類かの香りをたき、その香りの種類と順番を聞き当てるゲームが「組香」です。

和歌や物語などの言葉を、香りの名前(香名)に取り入れるなど文学の世界と融合した遊び方があり、みやびで知的な遊戯と言えます。

作法が難しいというイメージがありますが


香道を極めるのであれば、作法や日本文学への知識も求められますが、純粋に香りを楽しんでいただきたいと思っています。

香をたいている様子


香を扱う店では、聞香体験などが催されていますし、「八王子香の会」でも定期的に香会を開催しています。

まずは古より楽しまれてきた香りの遊びを、体験してみてください。

武居雅子さん
書道、茶道の師範として活躍する傍ら、大学院で香道について研究。
『香道と文学―江戸中期の香道伝書による文学受容の研究』で、博士を取得。
現在、よみうりカルチャー八王子で『源氏物語と香』について開講

問い合わせは、同会のツイッター(@8oji_kou_no_kai)またはインスタグラム(8oji.kou_no_kai)から。

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