
「失敗学」「創造学」のエキスパートである中尾政之・東大大学院教授が、新著『東大式 アイデアがいままでの10倍出せる思考法』の中から、アイデアのアウトプットを増やすための「思考法」を提示する。今回は、細部にこだわりすぎ、俯瞰で物事を考えられないゆえに大胆な改革ができない、という日本人にありがちな思考パターンの弊害について考察する。これは、今日の日本企業の弱体化の要因ともいえる、根深い問題だ。 【この記事の画像を見る】 ● 細部にこだわりすぎて 日本企業は勢いを失った 「ものを作る能力」に関して、日本の企業はズバ抜けていると認識している方は多いだろう。 たしかに指示や依頼されたものを作る能力はズバ抜けているかもしれない。 しかし、ただいわれたことを、いわれたとおりに全部受けてしまう。そして、会社はうまくいかなくなる、というパターンが往々にしてある。 細部にこだわりすぎた結果、日本企業はバブル崩壊以降、低成長期に続き、少子高齢社会という変革期になって、大きな転換ができなくなっている。 一つのやり方を極めるのはいい。しかし、極めすぎてそのやり方が通用しなくなったとき、もはや後戻りができない。 つまり、マンネリ化である。そんな状況に陥っているビジネスが多いように思えるのだ。選択と集中をうたい、採算の取れない部門を切り離して、短期的には利益が出ても、5年後には特徴のない会社になってしまう。
● 俯瞰する視点に欠けた 日本的ビジネスのなれの果て 軽量鉄骨ハウスを売っている、とあるメーカーの工場に行って驚いたのは、パッケージで家を売っているにもかかわらず、部品点数が2万点もあったことだ。 どうしてそれだけ部品が必要なのかといえば、顧客の要望に応じてカスタマイズをし続けるからだという。 つまり、「柱をこうしてほしい」とか「電灯はこんな感じで」というあらゆる要望に応じて、特注化した部品を作り続けているわけだ。 一見すると、多様な消費者の要望に応えられる優れたやり方のようだが、実際は部品の発注にコストがかかるため代金は安くならない。顧客が再度リフォームしようとしても、すでに部品が製造中止になっていることも多く、根本を変える大がかりな改修になってしまうのだ。 これが、俯瞰する視点の欠けた日本的ビジネスの、なれの果てというわけである。 少し専門的な話になるが、日本の軽量鉄骨ハウスは、アメリカの2×4(ツーバイフォー)のハウスとはちょっと違う。 面白いことに、顧客の要望に合った家をCGで見せるためのソフトが日本の軽量鉄骨の各メーカーにある。しかし、アメリカのメーカーにはカタログだけしかない。いちいち、細かなカスタマイズを顧客から聞かないから不要なのである。 機械設計というのはモジュラー設計(規格化ユニットの組み合わせ)とインテグレイテッド設計(個々の最適部品の統合、摺り合わせ)に分類されるが、アメリカは前者を、日本は後者を好む。これは文化の差といえるほど違う。 かつて日本のサラリーマンは、結婚し、子供ができたら、マイホームを買ったり、先代の家を建て替えたりするのが当然だった。だから20年くらいの耐用年数後に建て替えになり、部品もそれに応じて更新されればよかったのだろう。
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August 20, 2020 at 04:01AM
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