Sunday, July 19, 2020

宇宙基本計画 民間主導の開発を促したい - 読売新聞

 宇宙開発は、国家主導から民間企業が主役の時代に移ってきた。日本も世界の潮流に乗り遅れないよう民間の活用を図ることが重要だ。

 政府は今後の宇宙政策の指針となる「宇宙基本計画」をまとめた。現在、日本の宇宙産業の市場規模は1兆円余りだが、2030年代早期に倍増させるという。

 これまで巨費がかかる宇宙開発は国家が担ってきた。近年、ロケットの打ち上げ費用が下がり、小型衛星を通信やビッグデータ解析に使うビジネスが有望視されている。自動運転技術などと組み合わせ新市場を育てるべきだ。

 米航空宇宙局(NASA)は、スペースシャトルの退役後、物資や人員の輸送を民間に委託している。新興のスペースX社は5月、自社の宇宙船で宇宙飛行士2人を国際宇宙ステーション(ISS)に送り届けることに成功した。

 官民の役割分担を見直し、宇宙開発に民間の活力を生かす大きな転換点になったと言えよう。

 日本でも、ロケットの打ち上げに挑む北海道のインターステラテクノロジズや、和歌山県に打ち上げ場を建設中のスペースワンといった新興企業が注目されている。政府は新規参入を促し、事業の成長を下支えしてもらいたい。

 基本計画には、米国が月面に宇宙飛行士を送る「アルテミス計画」に参加することも明記した。20年代後半には、日本人飛行士が初めて月面に立つ可能性がある。

 月面では、資源の獲得競争が起きることも予想される。日本はアルテミス計画を足がかりとして、その一角に食い込み、開発の可能性を広げてほしい。

 日本は、これまでISSの運営に携わることで、日本人宇宙飛行士を宇宙に滞在させ、ノウハウを獲得してきた。今回も計画への参画により、宇宙開発での国際的な存在感を示したい。

 中国は「宇宙強国」を掲げ、進出に力を入れている。宇宙ステーション建設や月面探査にも乗り出しており、宇宙が米中の新たな覇権争いの舞台になっている。

 宇宙開発は軍事とも密接に関係する。基本計画には、ミサイル探知能力を備えた衛星の技術開発など、安全保障の強化も盛り込んだ。政府は、衛星破壊実験を行った中国を念頭に、宇宙空間の監視で米国との協力を強めるという。

 宇宙空間を取り巻く環境は急速に変化している。技術の進展も著しい。政府には、こうした時代の変化に的確に対応できる長期的な戦略が欠かせない。

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