会社説明会の中止・延期が相次ぎ、“就活生”の姿を見る機会が減った(写真は19年3月)
新型コロナウイルスの感染拡大に収束の兆しはないが、2021年度入社の新卒採用計画には現時点で目立った影響は出ていない。感染予防から多くの企業が会社説明会の延期・中止を余儀なくされているものの、20年度並みやそれ以上の採用を計画している企業が少なくない。
【変更予定ない】
東芝は国内グループ全体で21年4月入社見込みの新卒者1170人(20年度実績比12・5%増)を採用する。企業への変革に貢献する人材の採用を積極的に進める。富士フイルムホールディングスも20年度実績より54人増を予定し、システムエンジニア(SE)を中心に採用を増やす。
クボタは20年度比21人増の計335人を計画する。今後の事業や生産量の拡大を見込んだ措置。新型コロナウイルスの影響についても「現時点で変更予定はない」(同社)。
積水化学工業は、単体では20年度比19人減の106人だが、グループ全体では同18人増の856人を予定し、住宅の営業戦略を強化する。東レは「景気変動によって採用計画人数を調整することはしていない」という。
オリックスは自社を含めたグループ10社で20年度比20人増の274人を計画。新型コロナウイルスの影響は勘案していない。
【「安心して」】
20年度並みの採用を計画する企業も多い。富士通は750人、NECは500人と両社とも20年度比で横ばい。TDKや日本航空電子工業グループも20年度並みの採用を計画する。本多通信工業は毎年10人程度を採用し、21年度も変更しない考えで、佐谷紳一郎社長は「慌てずに安心して企業研究に励んでほしい」と話す。日東工器も21年度に20―25人の採用を予定し、現時点で採用人数の変更は考えていない。
金融・証券業界では、野村証券は20年度とほぼ同じ350人を計画。日本生命保険も20年度と同水準の800人の採用を予定する。
自動車業界は、SUBARU(スバル)が20年度並みの約630人を予定し、現時点で採用人数に新型コロナの影響はないという。日産自動車やいすゞ自動車は採用人数を未定・検討中だが、両社とも新型コロナの影響による採用減は見込んでいない。
【規模を適正化】
一方、大和ハウス工業は、同社グループの21年度採用計画を20年度比で109人少ない1188人とする。新型コロナの影響が出る前から、厳選採用する方針を打ち出していた。またJR東日本も20年度比400人減の1400人程度(新卒および中途採用)を計画。定年再雇用のエルダー制度拡充などで、必要人員を確保できる見通しが立ったため採用規模を適正化する。
日刊工業新聞2020年3月18日
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March 20, 2020 at 04:01AM
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