Wednesday, March 11, 2020

スバルの3代目「レガシィ」(BH型)。2.0リッター“フラット4”&2ステージツインターボ時代を振り返る(Impress Watch) - Yahoo!ニュース

 水平対向エンジン、シンメトリカルAWD、独創的な技術を確立してきた富士重工業(現スバル)が経営的な基盤を確立したのが1989年にデビューした初代「レガシィ」BC/BF型だった。

【この記事に関する別の画像を見る】

 それまでの富士重工のクルマ造りを結集し、商品力を一気に向上させ、デザインはもちろん、プラットフォームからエンジンまですべてを一新した渾身の1台である。力強いブリスターフェンダーや航空機のキャノピーをイメージさせるような各ウィンドウのつながりを強調し、洗練されたデザイン、名機EJ型エンジンも初代レガシィから搭載された。

 そして、ツーリングワゴンには「レオーネ」で芽吹いたグランドツーリングへの憧憬にあふれていた。

 1993年に登場した2代目のBD/BG型レガシィは初代を熟成したモデルで、高い評価を受けた初代のコンセプトを受け継いでいた。デビュー時はバブル崩壊で苦戦する自動車業界だったが、全幅1700mm、2.0リッター以下という5ナンバーサイズを踏襲しながら、上級車に負けないキャビンスペースとパフォーマンスを実現してユーザーの高い支持を得た。全長は50mm伸びて4545mmから4595mmになり、それに応じてホイールベースも2580mmから2630mmへと拡大されている。その分が後席に振り当てられたことも居住空間の拡大につながっていた。

 そして今回試乗したのは1998年に登場した3代目となるBE/BH型レガシィだ。「レガシィを極める」。開発コンセプトは明快。主査は後にSTIの社長となった桂田勝さんである。

 開発主査はそれぞれ魅力ある人ばかりだが、桂田さんは特に印象深い。航空畑のエンジニアだが、研究熱心でドライバビリティでは自分で納得するまで試してみるという人だった。朴訥としたしゃべり方の端々にも真摯さが伝わり、すぐにその魅力に引き込まれてしまった。

 ある時、レガシィの電子制御パワーステアリングに段付き感があるという私を連れて、さまざまなバリエーションのコーナーを持つ箱根に行った。何度も制御を変えてはデータを取って検証する作業が続く。結論として桂田さんを納得させるものではなかったと思うが、懐かしくも楽しい思い出だ。

■2ステージツインターボを存分に感じる走り

 目の前にあるゴールドのレガシィはまさに1998年10月登録のツーリングワゴン。内外装はレストアされており、当時の華やかな雰囲気を伝えている。さすがにシートは22年の年月を感じさせるが、表皮はしっかりしている。ダッシュパネルも歪みもなくキチリと収まっているのに感心した。この時代のスバルは内装の質的向上に躍起となっていた時代で、3代目レガシィも表面のシボや造詣などが丁寧で、当時の熱意を感じさせる。現在のクルマのようにドライバーに伝える情報が多くないので構成はシンプルで、メータークラスターに入るアナログメーターもスッキリして見やすい。

 このレガシィからはすべてのグレードが4WDとなって、レガシィの路面を選ばないグランドツーリングカーへの道は確固たるものになった。

 ボディサイズは4680×1695×1485mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2650mmのリアオーバーハングの長い伸びやかなスタイルを持つ。その長さはリアシートとラゲッジルームの拡大に充てられている。

 後席はステップルーフのためヘッドルームに余裕があり、レッグルームも広く適度に落ち着く。ただ前席が低く落とされているのでつま先がひっかかるのがたまに傷だ。

 ラゲッジルームは床面が高いものの、奥行きがありフラットで広い。BE/BH型からリアサスペンションがストラットからマルチリンクになり、サスペンションタワーがなくなって広がった成果だ。容量はグランドツーリングにふさわしい。

 ドライビングポジションを取ると、最近のクルマに比べると着座位置は低い。ただ、ダッシュボードも低く抑えられているので視界はわるくない。ちなみにボンネット上にあるインタークーラー用エアインテークも気にならない。

 エンジンは2.0リッターの“フラット4”に2ステージツインターボを引き続き搭載している。アクセルを踏むと多少のタイムラグと共に、ターボの「シューン」という音がして懐かしい。

 往年のパンチ力はないものの、ターボの存在感をタップリと感じることはできる。この時代の2ステージターボは低速回転域と高回転域の挟間でトルクの谷間があることを思い出した。走行中に感じられるわずかなトルクの切れ目も、今となっては旧友に会った思いだ。

 ATは4速のトルコンタイプ。シフトレバーはメルセデスベンツから採用されたゲートを切ったタイプで「あー、そうだったな」とこちらも懐かしい。トラスミッションはさすがにシフトアップ時の時間を置いたショックが伝わってくるが、アクセルワークにちょっと気を配れば問題なく走れる。

 ハンドリングは老体ゆえ、桂田さんと箱根を走り回ったときのようなキレはないが、少しおっとりとしたところが古いレガシィを走らせるというグランドツーリング観にはちょうどいい。

 サスペンションも年式相応にヤレがあり、例えばビルシュタインは倒立特有のいい意味でのフリクション感は失って、上下収束もシャッキリしていない。ブッシュ類もそろそろというところだ。しかし、これらのパーツは交換すれば元の元気を取り戻せるだろう。今は「戦い終えて日が暮れて」という穏やかな気持ちでステアリングを握っていられる。

 22年振りに乗るレガシィは、世相を感じさせる明るいゴールドカラーもさることながら、改めて歴代レガシィが作り上げてきたグランドツーリングの世界観を感じることができ、気持ちが豊かになった。

 この伝統を継承したレヴォーグが、また新たな歴史を作っていくのだろうか。

Let's block ads! (Why?)



"それに応じて" - Google ニュース
March 11, 2020 at 06:00AM
https://ift.tt/3aIziET

スバルの3代目「レガシィ」(BH型)。2.0リッター“フラット4”&2ステージツインターボ時代を振り返る(Impress Watch) - Yahoo!ニュース
"それに応じて" - Google ニュース
https://ift.tt/37sUoVL
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update
Share:

0 Comments:

Post a Comment