日本は3番目に大きなマーケットシェア
アルピーヌは1960年代に名車「A110」を世に送り出した。小型車ルノー「R8」をベースにしていたが、鋼管フレームで組んだフレーム後部にエンジンを乗せ、軽いFRPでボディを成形したユニークな2シータースポーツで発表したのだ。
その後も多くのバリエーションを投入して、1973年にはWRCでマニファクチャラーチャンピオンを獲得した。A110の強みは競技モデルでは700kg台だったと言われる車体重量と、リアエンジンによる強力なトラクションだった。まだAWDが一般的ではなかったころの話である。もちろんラリーだけなくル・マン24時間レースなどでもクラス優勝を争う強力なコンテンダーだった。
アルピーヌは創業当初からルノー車のチューニングを生業をとしていたが、1973年にはルノー傘下になり、さらに活発な活動を続けるが1995年に生産車種「A610」の終了と共にアルピーヌの名前は消えた。ただ、その間もアルピーヌの工場ではルノー・スポール車の生産が続けられた。そして2016年にアルピーヌの復活が宣言され、翌2017年に新生A110が誕生した。
現在のところアルピーヌはこのA110に限定されているが、将来的には車種展開が広がる予定という。ただし、予定されているのはアルピーヌ専用車種で、ルノー車のアルピーヌ・バージョンではないらしい。また、日本におけるルノーディーラーは70店舗だが、アルピーヌを扱う特定店は17店舗に限られる。それでもA110の販売台数に関して、日本はドイツに僅差で3番目に大きなマーケットというから驚きだ。
さて、前置きが長くなった。いよいよA110である。オリジナルのリアエンジンからミッドシップに変わった新型だが、2017年に発売以来すでに450台以上が販売されており、日本での人気のほどがよく分かる。そして2020年にA110に新しいバリエーションが加わった。サスペンションとエンジンに手を加えて週末のサーキットドライブもさらに楽しめる「A110S」だ。
アルピーヌは、クルマとの日常を大切にしたコンセプトでクルマ作りがなされている。それはフロントとリアに設けられた合計196Lにも及ぶトランクスペース(リアトランクはフルフェースヘルメットが2個収まり、さらにバッグも積める)やちょっとしたところに設けられた小物入れやネット、そして乗降性にも配慮した低いサイドシルなどにも表れており、まさしくスーパーマーケットに買い物に行けるスポーツカーなのだ。
これまでは軽量でスポーティな「ピュア」と、サスペンションやエンジンは同じ仕様でシートリフター・リクライニング、シートヒーター付きのスポーツシートやサブウーファーなどがおごられた「リネージ」の2種類のグレードだったが、今回のA110Sの追加により3種類のグレードから選べるようになる。ちなみに価格は、ピュアが804万6000円、リネージが844万4000円、A110Sが899万円だ。
まずはA110 リネージに試乗
さて、試乗コースは走り慣れた筑波サーキット・コース2000。A110 リネージとA110Sとの比較で各4周。コースにはハンドリング特性を体感するために一部パイロンが設置された特別コースである。
最初にA110 リネージに乗ったが、「こんなにも乗りやすいのか!」。ストレスのない緊張感のなんという心地よさ。4周があっという間に過ぎてしまった。ちょっとゴージャスなリネージは、フロント205/40ZR18、リア235/40ZR18のミシュラン「パイロットスポーツ4」を履き、ホイールはフロント7J、リア8Jとピュアよりも0.5インチ狭い。この差は結構大きく、リネージに適度なタイヤの接地形状と横剛性を与えているようだ。
実は今回の試乗会で初めてA110のハンドルを握った。そして、これまで同業者が惚れ惚れとA110を語る理由が納得できた。クルマとの一体感は素晴らしい。それも身体をタイトにクルマに縛り付ける感じとは違い、気持ちが自由になるのだ。なかなか新鮮だった。スポーツカーの雄「ポルシェ」とも違った、アルピーヌならではの粋な優しさを持っていた。
ステアリング系は剛性感があって正確。限界に近づくとそれとなくハンドルに伝わってきて安心できる。ハンドルに伝わる反力も適度な重さがあって、スポーツカーらしいところは心憎いばかりだ。乗り心地もサスペンションがよく動き、路面の凹凸を抑えている。“ちょっとそこまで”の日常使いも重視するアルピーヌらしい設定だ。それでいてロールはよく制御されており、不自然な姿勢変化を感じない。セダンの伸びやかさとスポーツカーの俊敏さを併せ持ったハンドリングだ。ミッドシップの限界域での背筋がムズムズするトリッキーな感触は感じなかった。
背中に積んだ1.8リッターの直噴ターボエンジン(M5P)は、320Nmのトルクを2000rpmから発生するのでコーナーの立ち上がりでもすぐにトルクバンドに乗って走りやすい。最高出力は6000rpmで252PSを発生し、直噴ターボとしては高回転までよく伸びていき、筑波サーキットの裏ストレートでも小気味よくシフトしていく。そう、トランスミッションはゲトラグ製の7速DCT。発進時にセンターコンソールにあるDボタンを押すだけだが、最初は頼りなく感じたのは事実。後はパドル操作になるのだが、基本的には何もしなくてもよい。パドルを使うのはサーキットやエンジンブレーキが欲しい時だが、変速時のエキゾーストノートも心地よいので、ついついパドル操作をしてしまう。
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March 16, 2020 at 05:00AM
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