Sunday, March 15, 2020

海峡に並行する運河 工費1.3兆円、トルコの計画波紋 - 朝日新聞

 欧州とアジアを分かつトルコ・イスタンブールのボスポラス海峡は、長い歴史の中で様々な帝国が支配権を争ってきた。この海峡に並行する運河の建設計画が進み、波紋を呼んでいる。(イスタンブール=其山史晃)

 黒海とマルマラ海をつなぐ全長約30キロのボスポラス海峡は、最も狭い部分の幅が698メートルしかない。年間4万~5万隻が通り、大型船は平均で通過に14時間半かかり、時には3、4日待たされる。原油や危険物を積むタンカーも増え、事故のリスクが高まっている。

 混雑を緩和するため、2011年にエルドアン大統領(当時は首相)がぶち上げたのが「イスタンブール運河」構想。全長45キロ、7年の工事で建設費用は750億トルコリラ(約1兆2800億円)と推計。エルドアン氏自身が「クレージー事業」と表現する。トルコ政府は年間10億ドル(約1050億円)の通航料収入を見込み、今年中にも入札が実施される予定だ。

 運河は湖とダムをつなぐ形で建設する。マルマラ海側の予定地クチュクチェキメジェの湖周辺には新しい高層マンションが立ち並ぶ。最近まで不動産会社でこの地区を担当した男性は「運河ができれば絶好の眺望。資産価値も上がる」と売り込んできた。アラブ諸国の顧客が投資目的で買う例も多い。近くに住むウール・サックさん(30)は、「家の価値が上がるし、工事が始まれば仕事も増える」と期待する。

 一方、近くでレタスやキュウリを栽培するラマザン・タンルクルさん(66)は「運河ができれば湖に海水が入る。周りの植物にどう影響するのかが不安だ」と話す。

 世界自然保護基金(WWF)トルコの報告書は、運河建設による環境破壊で森林や農地に悪影響を与えると指摘。運河の建設ルート上のダムが壊されることでイスタンブールが水不足に陥るとみる専門家もいる。

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March 16, 2020 at 05:00AM
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