Wednesday, December 22, 2021

処理水放出計画、地元の理解得られぬまま 「関係者の感情を逆なで」 - 朝日新聞デジタル

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 東京電力福島第一原発(大熊町、双葉町)の処理水の海洋放出をめぐり、漁業者などから反対の声が上がる中、東電は21日、処理水の放出設備の審査を原子力規制委員会に申請した。地元理解が得られるめどが立たないまま、海洋放出に向けた手続きが一歩進んだ形だ。20日には東電から県と大熊、双葉両町に、設備の設置に向けた「事前了解願い」が提出されていた。

 処理水をめぐっては、政府が4月、2年後をめどに海に流して処分すると決めた。一方、政府と東電から15年、「(処理水は)関係者の理解なしには処分しない」と文書で伝えられた県漁業協同組合連合会(県漁連)は放出への反対姿勢を強め、十分な理解が得られたとはいえない状況だ。

 東電は規制委の審査を半年と見込み、計画の認可や県と両町の了解を得たうえで来年に着工、約1年の工事を経て再来年4月ごろの設備の設置完了をめざす。

 ただ、21日の記者会見で福島第一廃炉推進カンパニーALPS処理水対策責任者の松本純一氏は「スケジュールありきではない」と強調し、漁業者らの理解を得るために説明などを続けるとした。だが、理解が得られなかった場合の放出先送りといった対応については明言を避けた。

 東電の計画では、汚染水から大半の放射性物質を除去した後、大量の海水と混ぜ、除去できないトリチウムの濃度も国の基準の40分の1未満に薄めた「処理水」を沖合約1キロ先に放出する。希釈が不十分などの異常があれば、自動停止する緊急遮断弁もつける。

 この日、海洋放出による風評被害を懸念する地元からは反発の声が相次いだ。

 「我々が反対しているのに淡々と進むのは非常に不満だ。我々は反対を発信することしかできないが、それを一生懸命やる」。県漁連の野崎哲会長は報道陣の取材にこう述べた。いわき市の内田広之市長も同日の記者会見で「地元関係者の感情を逆なでするもので遺憾だ」と、審査の申請に不快感を示した。福地慶太郎、長屋護)

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