サウジアラビアの12月7日付「サウジ・ガゼット」紙によると、ヒルトン・ワールドワイド・ホールディングスのクリス・ナセッタ最高経営責任者(CEO)は、アハマド・アル・ハティーブ観光相との会談で、同国での事業規模を今後5年間で7倍に拡大すると発表した。
この事業計画には、同社が国内で現在展開するホテル15軒を75軒に増加させる計画が含まれており、これにより1万人以上の雇用創出が期待されるという。アル・ハティーブ観光相は「ヒルトンがサウジアラビアの事業拡大を決断したことは、わが国の発展と成功に対する信頼の証しであり、長期国家改革計画『ビジョン2030』で定めた、2030年までの年間訪問者数の1億人突破や、観光業のGDPへの貢献率を3.5%から10%に向上させるという観光分野の目標達成につながる」と述べた。
ヒルトンは2021年6月時点では、中東での新規ホテル建設計画85軒のうち41軒をサウジアラビアで今後3~4年中に予定していると発表していたが(6月21日付「アラブ・ニュース」)、今回の発表によって、半年という短期間で約20軒の計画の上方修正を行ったことになる。
ヒルトンの中東・アフリカ・トルコ地域社長は「アラブ・ニュース」のインタビューで、新型コロナウイルス感染拡大前は聖地巡礼やビジネス利用を目的としたミドルクラスのホテル需要が大半だったものの、ここ最近はレジャー目的のハイエンドなホテルの需要がはるかに上回っているとした。サウジアラビアで建設予定のホテルもその大半が高級路線で、同国は引き続き重要な市場と述べた。
また、マリオット・グループも12月6日、政府系投資ファンドPIFの傘下で国際会議・展示会(MICE)産業を担うセラ・スポーツ(Sela Sport)と新規宿泊施設2軒の開業に係る契約を締結し、2022年中にリヤドとジェッダにそれぞれオープンする予定と発表した。アル・ハティーブ観光相は11月18日に自身のツイッターで、同ホテルチェーンが今後国内ホテル数を倍増する計画だと発信していた。今後数年間で、グローバルなホテルチェーンによる新規開業が相次ぐ見込みとなっている。
(比嘉千亜紀)
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