スマートフォン上のゲームアプリで遊ぶ「スマホゲーム」市場が成長を続けている。新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言で劇場などエンターテインメントが厳しい環境におかれる中、自宅での巣ごもり需要も取り込み、国内市場規模は1兆円超に。「課金」や「依存」の危うさはあるが、スマホの性能向上とともにますます魅力ある世界となっている。(文化部 三宅令)
巨大な市場
昨年のスマホゲームの世界市場規模は7兆7255億円(前年比7・5%増、ファミ通モバイルゲーム白書2021調べ)。成長を続けており、調査を担当した角川アスキー総合研究所の藤池隆司氏は「巣ごもり需要が影響し、スマホゲームに親しむ時間が増えたようだ。世界的に、これまで縁遠かった50代以上のプレー人口が増えている」と分析。今や電車の中で、スマホゲームに熱中する中高年を見ることは珍しくない。
スマホゲームのアプリは基本的に無料。ゲームを有利に進めるアイテムなどを、課金額に応じて抽選(ガチャ)などで販売し、収益を得るビジネスモデルが多い。また、何年もプレーヤーを飽きさせないよう内容が更新され続ける。
国内市場規模は、平成23年には3千億円程度だったが、モンスターを育ててパズルで戦う「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」などの人気タイトルの登場が引き金となり、ここ10年で急成長。昨年の市場は1兆2113億円にも上る。
「ゲーム運営やマーケティングがどんどん洗練され、市場が成熟してきた。また通信環境向上や技術革新で、内容もより充実してきている」という。
百花繚乱(りょうらん)の時代
「スマホならではのプレー体験を提供した」と評されるのは、28年にリリースされ、世界的にヒットした「Pok?mon(ポケモン)GO」だ。現実世界を映した映像にグラフィックや音を重ね合わせるAR(拡張現実)技術と位置情報を活用することで、現実に歩いてポケモンを捕まえる。小学生から高齢者までプレーヤーの年齢層も大きく広がった。配信元であるNiantic(ナイアンティック)の広報担当者は「人々が『歩いて探索し、新しい発見や他の人々と交流する』ことをサポートしたいと考えた」と話す。
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