Wednesday, April 28, 2021

進むか個別支援計画 高齢者らの早期避難期待―改正法で市町村に努力義務 - 時事通信ニュース

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2021年04月29日07時22分

支援が必要な障害者らが参加した避難訓練=2017年12月10日(大分県別府市提供)

支援が必要な障害者らが参加した避難訓練=2017年12月10日(大分県別府市提供)

  • 支援が必要な障害者らが参加した避難訓練=2017年12月10日(大分県別府市提供)

 災害時に手助けが必要な高齢者や障害者ら「要支援者」一人一人の避難計画作成を市町村の努力義務とする改正災害対策基本法が28日、成立した。全国的に遅れている計画づくりの進展が期待される。一方で、支援する側、される側両方の理解と協力が欠かせず、作成には時間や労力がかかる。早期避難に生かせるよう実効性の確保も求められる。
 利根川と渡良瀬川に接し、氾濫すれば3分の1以上の地域が浸水すると想定されている茨城県古河市。2019年10月の台風19号では、堤防決壊の危険性が高まり、1万人を超える市民が避難した。一部の要支援者は個別計画に沿って避難し、「余裕を持って逃げられ、安心だった」といった声が寄せられた。ただ、市の担当者は「まだ作成事例が少なく、計画の効果があったかは、しっかりとした検証が必要だ」と指摘する。
 豪雨災害が激甚化する近年、犠牲者の多くを高齢者が占める。個別計画は支援者や避難先、経路などを事前に定めることで早期避難を実現するのが狙いだが、対象者全員の計画を作成済みの市町村は全国で1割程度にとどまる。個人情報を他人に知られるのを嫌う人や、「元気だから必要ない」と断る人もいるのが理由だ。
 古河市の対象者は約5000人。19年度から本格的に作成を始め、年1000件程度を目指していた。しかし支援者の不足を含め課題が多く、実績は19年度が458件、20年度が391件。担当者は「ただ作るだけではうまく活用できない。丁寧なプロセスが必要になる」と打ち明ける。
 介護が必要な高齢者と日ごろから接する福祉専門職の協力を得てスムーズに作成を進めるとともに、避難計画に基づく訓練を行い実効性を高める自治体もある。
 兵庫県は20年度、介護サービスのケアプラン作成に合わせて避難計画を作る場合、1件7000円の報酬を介護事業所などに支給する事業を本格スタート。作成を担うケアマネジャーに防災研修を受けてもらうなど、福祉職を巻き込んだ体制を構築した。
 大分県別府市は地域ごとに年1回以上、訓練を実施し、計画を修正している。担当者は「重い電動車いすでは迅速に避難できないので、車いすで逃げてもらう。実際に試して、初めて分かることがある」と強調する。

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