京都大学医学部附属病院血液内科(髙折晃史教授)とCiRA(江藤浩之教授)のグループは、これまでにiPS細胞由来血小板(注2)を使った臨床研究を実施し、iPS細胞由来の血小板製剤の安全性について検証を行っています。この臨床研究は自家移植であり、企業での製造方法の確立と上市を目指すうえでは、単一の細胞で多人数に移植可能となる同種移植での治験が必要でした。
治験概要
血小板減少症(注3)の患者を対象に、「MEG-002」の安全性の確認と有効性の推定を行う予定です。「MEG-002」は、CiRA(現在のCiRA_F)より提供を受けたiPS細胞から作製された、日本人において最も発現頻度が高いHLA型を有する血小板であり、開発にあたっては同研究所の江藤浩之教授等が発明したヒトiPS細胞から血小板を産生する技術を用いています。なお治験製品の製造はCiRA_Fが担い、治験は京都大学医学部附属病院血液内科をはじめとした複数の医療機関で実施を予定しています。
本治験への支援
ヒトiPS細胞由来HLAホモ型血小板の実用化については、下記機関より支援を受けて実施されます。
・国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)
「医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)」第 5 回採択
用語説明
注1 株式会社メガカリオン
本社:京都府京都市下京区、代表取締役社長:赤松 健一
URL:http://www.megakaryon.com/
CiRA 江藤浩之教授等の発明によるヒト iPS 細胞から血小板を産生する技術の臨床応用を目指して2011年に設立されました。ヒト iPS 細胞由来血小板製剤を工業的に大量生産することによって、世界の医療現場へヒト iPS 細胞由来血小板製剤を供給することを目指しています。
注2 ヒトiPS細胞由来血小板
ヒトiPS細胞から分化させた巨核球前駆細胞に3つの遺伝子を導入することで得られる凍結保存可能な不死化巨核球細胞をマスターセルバンク化し、このマスターセルバンクから培養した巨核球を成熟させることによって血小板を産生します。
注3 血小板および血小板減少症
血小板は血液中の細胞成分のひとつであり、巨核球と呼ばれる細胞から作られ、全身を循環し、血管壁が損傷した際に傷口に集まって止血する役割を持っています。血小板減少症とは血中の血小板数が少ない状態をいい、血小板数が一定数以下となった場合や出血の危険性が高いと認められる場合には、輸血用血小板製剤での治療が行われます。
からの記事と詳細 ( ヒトiPS細胞由来HLAホモ型血小板(MEG-002) 治験計画届 30日調査終了のお知らせ - PR TIMES )
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