東京へ行かなくなって3カ月。自粛慣れしてしまった私は、この頃はスーパーにも行かない。
一番近いコンビニにもめったに行かない。
行くのはいつも「原っぱ」。
数日前には土手にブルーベリーの苗を3本植えたりしたので、いっそう「原っぱ」愛が深まっている。
そんな生活を過ごしているうちに、近所に住むつわものの移住者と知り合った。
近所、と言っても車で10分ほどの山の中の一軒家に住む人で、「原っぱ」の隣の広い畑やハウスで野菜作りをしているのだ。
その彼が、「好き勝手農園」なるものを立ち上げた。
この農園の会員になると、彼が丹精込めて育てた野菜を、毎日の散歩の途中に畑に寄って好きに収穫していいのだという。
ただし、その日に自分が食べる分だけ。で、代金は? と聞けば、このくらいかな、という金額を、会員間で、50円ぐらい? いやいや、100円じゃない? と勝手に決めて、「そこの缶に入れてってえ」というふうにやるのだそうだ。ええっ? そんなんでいいの? という感じ。
どうも土と戯れることは大好き、でも今さら面倒なことはしたくない、という気分らしい。
ただ、人手のかかる植え付けなどには動員がかかるらしいが、それもなんだか楽しそう。
これからは、キュウリ、トマト、レタス、ズッキーニ、ゴーヤなどの夏野菜がどんどん育つ。ハウスではおいしいメロンもできるとかで、即刻、その「好き勝手農園」の会員になった私だった。
その日は「原っぱ」へ行ったついでに、無農薬のアスパラ3本と、ワサビ菜とネギを収穫できた。
この農園の主の彼は、52歳の時に、会社勤めの傍ら週末には老後に暮らすログハウスを自ら建てに那須に通い始めたとか。
そして定年後、晴れて移住を果たした。今は、週に3日はテニスで身体を鍛え、残り3日は広い畑で好きな野菜を育てている。
いわば、充実の定年後の生活を十数年かけて実現した成功者というわけだ。
テレビや雑誌で、楽しい定年後を実現した実例を見るけれど、こんな近くでその実践者と出会うなんて、とうれしくなった。
そんなわけで、月に3回ハウスに届く、生みたての卵と、好き勝手に収穫できる野菜の恩恵で、自粛生活をしのいでいる。
新型コロナウイルスが収束したら、きっと地方暮らしが見直されることに違いない。(ノンフィクション作家)
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May 10, 2020 at 05:43AM
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【家族がいてもいなくても】(639) 「好き勝手」は計画的に - SankeiBiz
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