新型コロナウイルスの感染症拡大によって飲食店が大きなダメージを受けるなか、デニーズはゴーストキッチン(食事スペースがない宅配専用店舗)で攻勢をかける。その決断の裏には、セントラルキッチンを持たず、店内調理にこだわってきた同社の強みを発揮するための周到な準備があった。
新型コロナウイルス感染拡大という世界的危機の渦中で、難しい決断を迫られている企業は多いだろう。どのような情報を集め、どのようなロジックで優先順位を付けていくべきか。そのヒントを得るべく、本特集ではコロナ禍で異例の決断を行った企業に密着し、その決断を下した裏側をひもとく。第5回は、宅配専用店舗を立ち上げるデニーズの事例を紹介する。
【特集】withコロナ 企業の決断
ファミリーレストラン「デニーズ」を運営するセブン&アイ・フードシステムズ(東京・千代田)は2020年5月11日、東京・大井町に宅配専用厨房を開設した。同社が大井町にあるホテルで運営するレストランの厨房の一角にデニーズ用の調理機器を設置。これまで品川区、大田区、目黒区のデニーズ9店舗で受けていた宅配注文にこの厨房で対応する計画だ。スタッフ3人で調理し、委託先の配達代行事業者が配送する。「開業から2週間ほどたったが販売は計画をはるかに超えている。2週目は1週目より売り上げが1.5倍に拡大した」と同社取締役執行役員店舗管理部長の山本裕輔氏は話す。都内中心に5店の宅配専用店舗を年内に追加する計画だ。
同社が宅配専用店舗の出店を本格的に検討し始めたのは、コロナウイルスの感染拡大を受けて客数が大幅に減り始めた20年3月になってからだった 。4月7日に緊急事態宣言が出されたことで、客数のさらなる減少は避けられない情勢に。実際、4月の既存店の売り上げは、前年比で43.3%と落ち込みが深刻だった。一方、光明もあった。以前には多いときで約6000万円だった宅配の月間売り上げが、4月には約1億円に達したのだ。
こうした状況を受け、開店を5月11日に決めて準備を急ピッチで進め、なんとか開店にこぎつけた。検討開始から開業まで約2カ月の突貫プロジェクトだった。「会社としてなんとか事業を継続しなければならない。トップも率先して協力してくれたので、スピーディーにプランを遂行できた」と山本氏は語る。
ほかの飲食店はその大小を問わず、急ごしらえのテークアウトや宅配への対応に追われている。そうした状況で、同社が他のファミレスに先駆けて宅配専用店舗を短期間で開業できたのは、早くから宅配需要の拡大に対応するための計画を周到に練っていたからだ。
宅配・テークアウト増の影響で満足度が低下
女性の社会進出、若者のクルマ離れといった社会環境の変化の影響で、デニーズでも宅配とテークアウトの利用がここ数年拡大。特にUber Eatsをはじめとした宅配事業者の競争が激化していた宅配は大きく伸びていた。宅配の注文にはデニーズ各店舗が通常営業と平行して対応し、それを宅配事業者が配送していた。
宅配やテークアウトの利用が増えるにつれて問題も発生していた。これらの利用が多いのは昼食や夕食の時間帯で、店の繁忙時と重なる。そのため調理に想定以上の時間を要し、店内の客への料理提供が遅れたり、宅配の指定時間に届けられなかったりすることが増え、顧客満足度を下げる要因になっていた。
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