【ロンドン=中島裕介】新型コロナウイルスに感染していたジョンソン英首相が6日夜、症状が悪化して集中治療室に入ったのを受け、当面はラーブ外相が首相の職務代理を務めることになった。ジョンソン氏が必要に応じて代理を務めるようラーブ氏に要請した。ラーブ氏は要請を受けた後、喫緊の課題の新型コロナ対策について「首相が指示した計画を確実に実現する」と語った。
首相代理を務める英国のラーブ外相=AP
ジョンソン氏は3月27日の感染公表から公邸で自己隔離を続けていたが、熱などの症状が消えず4月5日にロンドンの病院に検査入院していた。
英首相官邸は6日夜の段階では、ジョンソン氏は意識があり人工呼吸器が必要な場合の備えとして集中治療室に入ったと説明した。ジョンソン氏に近いゴーブ・ランカスター公領相は7日、英ラジオ番組で「首相が一定の酸素吸入の治療を受けた」としたうえで、人工呼吸器はつけていないと語った。厳重な経過観察が必要なものの、重篤な状態には至っていないとの認識を示した。
首相の代理を務めるラーブ氏はジョンソン政権が発足した2019年7月からナンバー2にあたる筆頭国務大臣も兼務してきた。英首相官邸はジョンソン氏が新型コロナの感染を公表してすぐに、職務を担うことが難しくなった場合にラーブ氏が代理を務めることを明らかにしていた。
5日までに5300人以上の死者が出ている英国では、3月23日に英全土で食料品の購入や一定の運動などを除いた外出禁止令が出ている。ラーブ氏は感染の動向を見ながら医療の整備、外出禁止令の強化や緩和の是非などの判断を担うことになる。「首相代理」の態勢がいつまで続くかはジョンソン氏の症状次第だが、現段階で見通しは立っていない。
国外の首脳からはジョンソン氏の回復を祈るメッセージが相次いでいる。トランプ米大統領は6日の記者会見で「彼は本当に良い友達で特別な存在だ」と述べ、米国の有力医薬品メーカーにすぐに英政府と連絡を取って協力するよう要請したことを明らかにした。欧州連合（EU）のフォンデアライエン欧州委員長はツイッターに「私の思いはジョンソン首相と共にある。早期の完全回復を願っている」と投稿した。
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April 07, 2020 at 03:47PM
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英外相が当面、首相代理に コロナ対応「首相の計画を実現」 - 日本経済新聞
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