Wednesday, April 22, 2020

なぜリモートワークの浸透が米国並みの格差社会につながるのか? - まぐまぐニュース!

新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言の下、日本でもようやくリモートワーク(テレワーク )を導入する企業が増えてきました。この家から外に出ないという流れは、複数の二極化を生むとメルマガ『週刊 Life is beautiful』の著者で世界的エンジニアの中島聡さんは語ります。そして、その二極化は、日本の企業のあり方も変え、アメリカのような極端な貧富の差を生むことになると解説。そのような社会で生き残るために何が必要かを綴っています。

コロナ時代の働き方

新型コロナウィルスの感染拡大の防止のために、世界各地で都市のロックダウンや外出禁止令が行われており、それに応じて家からのリモートワークを強いられている人が大勢います。私は、これにより複数の二極化が起きつつあると見ています。

最も分かりやすいのは、ロックダウン(およびその後の人々のライフスタイルの変化)の影響を直に受ける業種とそうでない業種です。特に悲惨な状況にあるのは、レストラン・居酒屋などの飲食業、ホテル・航空などの旅行・観光業、コンサート・映画・ボウリングなどの娯楽業など、「人が集まること」そのものに価値を見出しているような産業です。

そんな業種と比べると、MicrosoftやGoogleのような純粋なソフトウェアの会社は、ビジネスそのものが大きな影響を受けないだけでなく、ほとんどの業務がリモートワークでこなせるため、生産性の低下も最低限で済みます。

ダウ平均は上がり始めましたが、これはテクノロジー株の上昇を反映したもので、全ての業種の株が復活しているわけではありません。これはまさに、上の二極化を反映したものです。

2つ目の二極化は、リモートワークに必要なツールを使いこなせる人とそうでない人の二極化です。Slack、Zoom、Google Driveなどを使った仕事に慣れている人たちにとっては、リモートワークは大きな障害にはなりませんが、経団連の重鎮達に代表されるようなパソコンすらまともに使えない人々にとって、リモートワークは致命的なほど生産性を落とすものです。

その結果、彼らはとことんまでリモートワークを否定するし、例えリモートワークをせざるをえない状況に追い込まれたとしても、これまでの働き方を変えようとせず(労働時間を管理しようとします)、多くの人たち(主に彼らの部下達)を巻き添えにして、もともと低かった生産性をさらに下げることになると思います。

3つ目の二極化は、リモートワークによって一人一人の能力や生産性が可視化されるため、会社に必要な人と、実はいなくてもなんとかなってしまう人、という二極化です。特に日本の大企業は、高度成長期に作られた終身雇用・年功序列の人事制度をいまだに引きずっています。個人の能力や生産性に応じて待遇をするよりは、出来る限り皆を平等に扱い、運命共同体として社員全体が共に会社に尽くすことにより、同年代の人たちはほぼ同じスピードで出世して行く、そんな人事制度です。

しかし、リモートワークになると、流石にそんな人事制度は維持出来なくなるので(無理やり維持して衰退して行く企業はあると思いますが)、長時間の残業や休日出勤で「会社に尽くす姿勢を見せていること」だけで評価されて来た人たちが、強さを発揮出来なくてなってしまうのです。

この手の二極化は、最終的には貧富の差として現れてくるので、日本も米国並みに富裕層が富の大半を握り、大半の人たちが最低賃金でサービス業で働く時代が来ても不思議ではありません。

そこにさらなる変化として訪れるのが、(最低賃金とは言え)大きな雇用を生み出して来たレストランや小売業などのサービス業における、自動化・オンライン化の加速であることは明らかで、それがさらに貧富の差を広げます。

そんな時代に生き残って行くためには、上に書いた3つの二極化を参考にし、
 ●リモートでも効率的にビジネスが出来る業種・職種を選ぶ
 ●リモートワークに必須なツールを使いこなす
 ●長時間労働や労力ではなく、生産性と結果で勝負する人になる
しかないと私は考えています。

image by: shutterstock

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