Wednesday, April 22, 2020

将来はスマートリングでMacやHomePodのジェスチャー操作が可能に?アップルが特許に加筆 - Engadget日本版

ring
Apple/USPTO

アップルは指輪型デバイス、いわゆるスマートリングの特許をUSPTO(米特許商標庁)に申請し、2019年に承認されています

そして4月21日(米現地時間)、アップルが同特許に「指輪をはめたユーザーのジェスチャーを検出し、操作したい外部デバイスを識別する」方法を加筆したことが明らかとなりました。この変更がiPhone 11シリーズに搭載された、超高精度な位置検出を可能とするU1チップの採用を示唆しているのではないか、と推測を呼んでいるしだいです。本特許の正式名称は「ウェアラブル電子リングコンピューティングデバイスの機器、メソッドおよびユーザーインターフェース」というもの。2015年に申請され、4年越しにUSPTOの承認を受けた後に、新たな技術が追加されたかっこうです。

特許文書に描かれた指輪デバイスは、タッチセンサーパッドあるいはディスプレイを備えており、カメラやボタン、スピーカーやマイクの実装も想定されています。さらに生体認証も考えられているほか、音声アシスタントのSiri使用にも言及され、指を振ってカーソルを動かすなどウェアラブルマウスのような使い方や、室内の照明をオンオフしたりという用途も詳述されています。

さて、今回新たに追加されたのは、ユーザーが操作したいデバイスを指定するための具体的な方法です。追加部分では「(リングは)入力を検出し、それに応じて事前に定義された手のジェスチャーが実行されたとの判断に応じ(指示を送信する)」と書かれています。

たとえば、部屋に2つのHomePodがある場合は、どちらのデバイスかを識別してボリュームを上げ下げする。あるいは近くのディスプレイを指差しただけで、iPhoneからAirPlayによりビデオをストリーミングできるといったぐあいです。

これらの操作は全て「リングがジェスチャーを検出できる」ことや「リングをはめた指が特定のデバイスを指している」ことを認識できる機能が必要となります。特許文書では特に言及されていませんが、米AppleInsiderはU1チップの持つ超広帯域(UWB)無線システムが活用できるのではないか、と推測しているわけです。

UWBは、人工衛星の信号が届かない屋内でも位置を高精度で検出できる技術です。その精度はBluetoothおよびWi-Fiを用いる位置検出方式と比べて20倍以上、5~10cmの精度を実現するとされています

そうした可能性を秘めたU1チップですが、記事執筆時点ではAirDropに用いられているだけです。たとえば自分のiPhoneを誰かのiPhone(どちらもU1チップ搭載が前提)に向けると、AirDrop送信候補リストの一番上に相手のiPhoneが表示されることになります。

アップルは「U1とiOS 13が連動すると、ほかにも様々なことができるようになります」とほのめかすに留まり、「様々なこと」の詳細は明かしていません。その使い道は忘れ物防止タグAirTag(仮)車のスマートキーではないかと憶測されていますが、そこにスマートリングが加わったといえます。

特許文書ではスマートリングの必要な例として「デバイスを表示位置に長時間保持した後、ユーザーの手や腕が疲れる場合があります」を挙げるなど、両手でも持ち続けるのが難しいMacBook ProやiPad Proを想定してるような記述も見られます。将来はU1チップがアップル製品全般に採用され、iMacのディスプレイの前でくるくる指を回している光景が現れるのかもしれません。

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