Friday, June 19, 2020

オーナーの意向とコミッショナー。MLB版「三方一両損」を提案する。(芝山幹郎) - Number Web - ナンバー

 2020年の大リーグ開催が、こじれにこじれている。嫌な空気が流れはじめたのは5月からだったが、ここまでややこしくなるとは思わなかった。

 ビリオネア対ミリオネアの争いが醜悪でも、野球特有の楽天主義と復元力が働き、なんとか妥協点を見いだしてくれるのではないか、と考えていたのだ。

 ところが、事態はご承知のとおりだ。

 強制的開催権を持つはずのロブ・マンフレッド・コミッショナーが「やれるかやれないか、私にはもうわからない」と弱音を吐くところまで、事態は行き詰まってしまった。なぜ、こうもこじれたのか。

「俸給は試合数に比例した額」のはずが……。

 そもそものはじまりは、3月26日に交わされた「合意」にあった。

 この日、コミッショナー(を頂点に形成されるMLB機構)と大リーグ選手会は、「野球のシーズンを開催するのなら、俸給は試合数に比例した額にする」という大枠で基本的に合意した。

 その他もろもろの条件は、「無観客」という方針が定まったあとで調整されるはずだった。

 通常、大リーグの1シーズンは162試合(ポストシーズンを除いて)で開催される。それが仮に82試合の短縮シーズンという形を取るとしたら、選手の俸給は162分の82となる。これが計算の基本で、非常にわかりやすい。

 そこへ割り込んだというか、異議を唱えてきたのが、球団のオーナーたちだった。

 オーナー側は、「試合数に比例する俸給は、とても払えない」と難色を示した。

「テレビの放映権は確保できるが、無観客の場合は、入場料をはじめとする球場収入がなくなるので、総収入は40パーセント前後減少する。それに応じて選手の俸給も、もっと減らす必要がある」と主張したのだ。

 具体的には、興行総収入が約100億ドルから約60億ドルに減るので、選手の年俸総額(約40億ドル)も大幅に減らしてほしい、という言い分である。

【次ページ】「今シーズンはキャンセルしても仕方がない」。

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