そこへテバス会長が、「9月は入場者をキャパの30%、11月から50%、来年1月から100%に戻したい」という希望を表明したため、最悪でも10月には現在、撤去されているベルナベウのスタンドに人を迎えられる状態にしないといけないことに。まあ、あくまで予定は予定で、実際、リーガの再開は決まったとはいえ、社会全体のコロナ状況が改善していかないと、全ては捕らぬ狸の皮算用にすぎませんからね。緩和フェーズが進むにつれ、早くも先週末には3000人も若者が集まったメガbotellon(ボテジョン/野外での酒盛り)や、制限人数を大幅に上回るフィエスタなど、各地で通報されているため、クラスターによる感染再拡大の危険もまだまだ、無視できないかと。
そしていよいよ、目標とする初戦の時間割も決まったことですし、マドリッドのチームの様子を報告していくことにすると、いえ、皮切りは11日木曜のアンダルシアダービー、セビージャvsベティス戦で、首都ではまず、同日午後10時30分から、昨年12月に前半終了時の0-0で中断となっていたアルバセテ戦を2部の弟分ラージョがプレーするんですけどね。1部で先陣を切るのはヘタフェで12日金曜午後7時30分から、グラナダとのアウェイに挑みます。いやあ、丁度、先週末はバルサのセティエン監督が「Los cinco cambios creo que nos va a perjudicar/ロス・シンコ・カンビオス・クレオ・ケ・ノス・バ・ア・ペルフディカル(選手交代5人はウチに悪影響する)。試合の終盤に相手が疲れたのを利用して勝負をつけてきたのが、フレッシュな選手を投入されてしまうんだから」とコメント。
これに反論していたのがボルダラス監督で、まあ元々、2人はあまり仲が良くないんですけどね。「5人交代できるのは間違いなく、ビッグクラブに有利。Tienen plantillas de nivel muy grande y nivel similar/ティエネン・プランティージャス・デ・ニベル・ムイ・グランデ・イ・ニベル・シミラル(高くて似たレベルの選手層を持っているんだから)」と言っていましたが、バルサは意外とトップチームの人数が少ないですからね。ルイス・スアレスは回復したものの、デンベレが今季絶望で、練習再開初日にはウムティティも負傷という事情を考えると、この3週間、1部の14チームで計28人のケガ人が出ている中、誰1人欠けていないヘタフェはかなり幸運かと。
そんな彼らも火曜にはいよいよ初のCL出場権ゲットに向けて、コリセウム・アルフォンソ・ペレスで今週から解禁になった全員練習。13日土曜午後7時30分のバジャドリー戦から、降格圏脱出の戦いが再び始まるお隣さんのレガネスも今週は木曜日曜と、2日間をブタルケでのセッションに当てるなど、どこもトレーニングに熱が入ってきたようです。そうそう、アギーレ監督はベンチ入り23人、交代枠5人という、今季の残りのルール変更について、「una decisión fantástica/ウナ・デシシオン・ファンタスティカ(素晴らしい決定)」と喜んでいるようでしたよ。
一方、兄貴分のアトレティコはアウェイが2試合続くせいか、まだワンダ・メトロポリターノには足を踏み入れていないんですが、早いところ、4位以内のシメオネ監督定位置に返り咲かないといけない彼らにはいいニュースもありました。ええ、先週、ヒザを捻ったジョアン・フェリックスがグラウンドでのリハビリトレをスタートしたことで、再開初戦となる14日午後1時(日本時間午後8時)からのアスレティック戦にはどちらにしろ、累積警告で出場できないんですが、17日水曜のオサスナ戦には間に合いそうな感じです。
ヒザの靭帯断裂回復後、補強材を抜く間接鏡手術を受けたベルサイコ、左足を痛めたコレアはまだジムで調整していますが、先日、現役即時引退を発表。土曜にはバルセロナで腰の手術を受けたアドゥリスがリハビリと並行して、チームメートのアドバイザーを務めるサン・マメスでの試合までには戻って来られるんじゃないでしょうか。
そして先週木曜には同じバルデベバス(バラハス空港の近く)の敷地内とあって、選手たちにとって、あまり変化はないんですが、エスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノでトレーニングしていたマドリーはというと、こちらも月曜から、82日ぶりとなる全員揃っての練習となりましたが、数日間、筋肉痛で休んでいたナチョ、イスコ、バルベルデも合流できたようです。14日日曜午後7時30分(日本時間翌午前2時30分)からのエイバル戦に向けて、勝ち点差2の首位バルサを追い越すべく、着々と準備を進めていますが、何せ今は中断期間前にはいなかったアザールとアセンシオという、頼りになるアタッカーが復帰していますからね。
おかげでずっと1人でゴールの責任を担ってきたベンゼマもかなり、気持ち的に楽になるんじゃないかと思いますが、果たしてチームとエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノとの相性は如何に。いえ、ジダン監督はRMカスティージャを率いていた時代に、選手もカセミロ、ルーカス・バスケス、ナチョ、カルバハル、バルベルデ、ビニシウス、ロドリゴと下部チームでプレーしたことがあるメンバーには勝手知ったるピッチなんですけどね。平面的には同じとはいえ、ベルナベウのような威圧感はないため、ホームがイプルアのようなあまり大きくないチームが相手の場合、リラックスされてしまう危険が。
何はともあれ、シーズン再開を前にして、「El mensaje de Zidane es disfrutar y jugar al fútbol/エル・メンサヘ・デ・ジダン・エス・ディスフルタル・イ・フガール・アル・フトボル(ジダン監督のメッセージは楽しんでサッカーをプレーすること)」とベンゼマも言っていたように、2カ月以上、外出禁止でフラストレーションを貯めていたファンが試合を見て、ワクワクできるようになるのは最高の朗報。あとは私もそれまでにマドリッドが緩和フェーズ2に入り、近状のバル(スペインの喫茶店兼バー)で入店制限40%までの席争いを制して、TV観戦できることを祈るばかりです。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
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June 03, 2020 at 04:30PM
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