仙台放送
女川原発2号機について、宮城県石巻市の住民が東北電力に対し、再稼働の差し止めを求めている裁判です。11月8日、仙台地裁で開かれた口頭弁論で、避難計画に実効性がないとする住民側に対し、「避難計画は合理的」と東北電力は争う姿勢を示しました。 訴えを起こしたのは、女川原発から半径30キロ圏内に住む石巻市の住民17人です。訴えによりますと、住民は女川原発2号機の再稼働について、重大事故を想定し県と石巻市が策定した広域避難計画では、「交通渋滞によって30キロ圏内を脱出できず、避難計画に実効性がない」などとして、東北電力に対し、再稼働の差し止めを求めています。 8日の第一回口頭弁論で、住民側は避難計画について、実際に車で走行して検証したことを説明した上で「次々と問題点が浮き彫りになり、この計画は全くの机上の計画でしかないことが明らかになった。万が一の時、放射能被ばくを最小限にするためには避難計画が最後の砦。裁判所において、徹底した審査と明確な判断をしてほしい」などと主張しました。 これに対し、東北電力側は答弁書で、「避難計画は緊急時モニタリング測定結果を基にした段階的な避難で、一斉避難を前提とした原告の主張は誤り。避難計画は具体的、かつ合理的に整えられている。そもそも重大事故を起こす具体的危険性が立証されていない」と争う姿勢を示しました。 裁判後、住民側が会見を開き、裁判の意義を強調しました。 原告弁護団 小野寺信一 弁護士 「避難計画の実効性、特に国がお墨付きを与えて、それを県や石巻市が利用して地元同意を行うというのは全国共通の現象。そこに対してきちんとしたメスを入れていくということを優先せざるを得ない。再稼働までにせめて第一審の判決を得たい」 次回の裁判は、来年1月12日に開かれる予定です。 水戸地裁で、今年3月、東海第2原発の避難計画の不備を理由に運転の差し止めを命じる全国で初めての判決を言い渡しています。
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