O4の感度目標を引き下げ。これに対し梶田氏は…
一方、MPcは感度を表す単位で、重量波望遠鏡でどれほど遠くの宇宙を見ることができるかを表した距離の指標。2015年9月に重力波を世界で初めて観測し、後にノーベル物理学賞も受賞したLIGOは、初観測の時点で約60MPcの感度だった。 「重力波が観測できる最低ラインの感度は25MPcと言われている。そこでKAGRAは、来夏から始まるO4観測で、25~130MPcという感度を掲げてきたのです」(同前) ところが、今年6月30日、KAGRAの最高幹部が集まるオンライン会議「KAGRA テレコム」で、研究代表者の梶田氏は英語で以下のように述べた。 「O4が目標としていた感度ターゲットは25~130MPc。しかし、この目標を達成することは放棄すべきと考えています」 シナリオペーパーで掲げてきた感度を撤回し、新たな目標を「1MPc以上」まで引き下げることを表明したのだ。 「実は、KAGRAは2020年3月に瞬間的に1MPcを達成して以来、ほぼ進展がない状態なのです。例えば、25MPcの感度で一発の重力波の観測に1年かかると仮定すると、1MPcでは1万5千年以上待たないと観測できません。事実上、重力波の観測が不可能な状態にあることを、梶田氏自らが認めた形です」(同前) 梶田氏に話を聞いた。 ――KAGRAテレコムで、「感度を諦める」と。 「国際共同で約束した以上、一緒に観測することが、一番のプライオリティ。『感度を上げることだけをやってちゃ駄目だ』と」 ――「1MPc以上」では、科学的成果が見込めない。 「やってみないと分かりません。欧米のプロジェクトは日本に対して15年くらい先行している。やっぱり15年の差は大きいです」
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