社長が交代してもうまく行くための三位一体の計画
多くの会社では、事業計画や経営計画を作っていると思います。自社の理念、長中短期の計画が記されたものです。
しかし、社長が交代してもうまく行く会社を創るためには、実は事業計画や経営計画だけでは不十分です。
特に、日本企業の多くを占める家族経営の会社の場合には、「三位一体の計画」が求められます。
結論から言えば、三位一体の計画とは、
・会社の事業計画、経営計画
・家族の計画
・所有の計画
これら3つを時間軸を合わせながら計画していくことです。
より詳しく見てみましょう。
会社の事業計画、経営計画
これは良く知られている通り、会社の経営をどうしていくかという計画です。たとえば、以下のような項目が含まれます。
・経営理念
・中長期計画
・短期行動計画
・経営の基本方針
家族の計画
家族の計画は家族経営、すなわち、社長一族が実質上の支配権を持っている会社(日本のほとんどの会社はこれに当てはまります)の場合には重要性が増します。
会社と家族は別物、と考えている社長も多いかも知れませんが、実際には、会社と家族の関係は複雑に絡み合っており、影響しあっています。
たとえば、社長の息子さんや娘さんが今何歳で、10年後には何歳になるのか?子供は会社を継ぐ意思があるのか?そのようなコミュニケーションをしているか?もし、会社を子供に継がせるならば、どのタイミングで入社させるのか?どのような教育や経験を積ませるのか?現社長はいつ引退するのか?バトンタッチのタイミングはいつか?
こういったことは、会社の計画にも大いに影響を与えるわけです。したがって、家族計画は会社の計画の時間軸と合わせて立案していくことが大切です。
所有の計画
所有の計画とは、要は会社の財産をどう承継していくかという計画です。代表的な財産としては、株式、建物、設備などです。これらの承継をどうしていくかについては、通常、事業計画や経営計画に含まれません。したがって、別途計画を立てることが必要になります。
所有の計画を立てるためには、会社の経営者というよりも、オーナー(投資家)としての視点が大切になります。
所有の計画で最も重要と言えるのが、株式の配分です。
創業社長の場合には、100%ご自身で株式を所有していることが多いでしょう。一方、何代か経た会社の場合、株式が子供、いとこ、親類に分散しているケースも多いと思います。会社に役員や社員として参加していないものの、株式を所有している親族も多くなります。こうなると会社のガバナンス上面倒になるので、そうなる前に、所有の計画を立案していくことが大切でしょう。
三位一体の計画を一枚のシートにまとめる
以上、3つの計画について概要をご紹介しました。大切なのは、これらの計画を別々に立案し、実行していくのではなく、時間軸を合わせ、経営、家族、所有をどうしていくのかを検討できるようにすることです。
そのために、三位一体の計画を1枚シートにまとめることをお勧めします。
縦軸に
・経営
・家族
・所有
を取り、横軸を時間軸(5年毎、20年先くらいまで)を設定し、各タイミングで経営をどうしていくのか、家族をどうしていくのか、所有をどうしていくのかを考えてみましょう。
三位一体の計画を1枚で見れるようにすることで、社長が代わってもうまく行く会社の長期的な展望が開けるはずです。
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