Monday, May 10, 2021

ワクチン高齢者接種、計画前倒し苦慮 静岡県内市町、完了時期に差|あなたの静岡新聞 - @S[アットエス] by 静岡新聞

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 高齢者向け新型コロナウイルスワクチンを巡り、高齢化率が4割超の静岡県内10市町のうち、少なくとも4市町の接種完了時期が、政府が求める7月末の完了には前倒し困難な見通しであることが、10日までの静岡新聞社の調べで分かった。県内では9月ごろまでの接種計画を策定していた市町もあり、医療従事者や施設の確保で、策定した接種計画の前倒しに苦慮する実態が浮かび上がった。

高齢化率の高い伊豆地域でも本格化した高齢者への新型コロナウイルスワクチン接種=10日午後、河津町保健福祉センター
高齢化率の高い伊豆地域でも本格化した高齢者への新型コロナウイルスワクチン接種=10日午後、河津町保健福祉センター
高齢化率の高い市町の新型コロナワクチン接種体制
高齢化率の高い市町の新型コロナワクチン接種体制
高齢化率の高い伊豆地域でも本格化した高齢者への新型コロナウイルスワクチン接種=10日午後、河津町保健福祉センター
高齢化率の高い市町の新型コロナワクチン接種体制

 「当初予定の9月末から、何とか8月くらいまでは前倒しのめどが立ったところ」。下田市の井上均市民保健課長は苦渋の表情を浮かべる。12日に集団接種を始める同市は現在、約6200人分の予約が9月下旬まで入っている。接種会場は1カ所しか確保できず、1日最大190人の接種が限度。国の方針を受け、日数を増やし、既に入った予約を早い日程に振り替えるが、7月中の完了はまだ見通せない。
 国が求める7月末の接種完了には市町の担当者から不満の声も聞かれる。8月上旬の完了を見込む松崎町の糸川成人健康福祉課長は「医師数が少なく、現実は厳しい」、別の市の担当者は「国の指示が二転三転し、対応しきれない」と嘆く。高齢化率の高い市町は、小さな自治体が多く、限られた職員で医療人材や会場を拡充する負担は大きい。
 一方、県内で最も高い高齢化率49・9%(2020年4月現在)の西伊豆町は6月末に完了する見込み。4会場での集団接種に加え、個別接種も予定している。開業医と町唯一の総合病院である西伊豆健育会病院の医師が連携して担当する。平野秀子健康福祉課長は「医療機関による地域医療への理解があり、早期完了につながりそう」と感謝する。

 ■会場数増加へ工夫 伊豆地域
 高齢者への新型コロナウイルスワクチン接種完了が遅れる見通しの下田市。同市は理由として、ワクチン保管用の特殊な冷凍庫に対応する非常電源のある広い会場がなかった点を挙げる。ただ、他市町は冷凍庫を置いた施設から必要分を随時運んで会場を増やしたり、医療機関での個別接種に重点を置いたりする工夫をしている。
 下田市は、多くの市町で集団接種の拠点になる保健センターがない。公共施設も少なく、会場の市民スポーツセンター会議室以外は、非常電源や駐車場の有無、既に利用予約が入っていたなどで問題があったと市は説明する。
 一方、西伊豆町などは、冷凍庫を置く施設から、冷凍庫のない会場へワクチンをその都度運び、対応している。町役場ホールが会場の南伊豆町は、既に入っていた利用予約でキャンセルしてもらい、日数を確保した。
 10日に始まった熱海市は市内の2総合病院での個別接種に重点を置く。市街地にある2病院で、高齢者全体の6割以上の接種を担う。26日から始まる伊東市も、市内29医療機関に個別接種の協力を依頼し、完了時期の前倒しを図る。

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