2021年5月29日 午後5時00分
小林化工の本社＝福井県あわら市
ジェネリック医薬品（後発薬）の製造販売承認の申請に際し、試験時期の改ざんなど書類の虚偽記載があり、厚生労働省から１２製品の承認取り消しと業務改善命令を受けた福井県あわら市の小林化工は５月２８日、厚労省に改善計画を提出した。研究開発部門での法令順守の体制構築や役職員の教育訓練、日付改ざん防止に向けた管理強化などに取り組むとしている。
厚労省によると、承認取り消しの対象は２０１１～１９年ごろに申請された高血圧症治療剤や鎮痛剤など１２製品。品質変化を調べるため製造から半年や１年後に行う試験を期日より１週間～１カ月程度前に行い、申請書類を改ざんするなどの法令違反があった。医薬品医療機器法に基づく承認取り消しは初めてで、６月１日付。同社は販売前だった１製品を除く１１製品の自主回収を進めている。
改善計画では、医薬品の開発や試験、データ分析を担う研究開発本部の組織改革を重視。社内に新設したコンプライアンス推進室と連携し、役職員を対象に法令順守や研究開発に必要な知識、スキルを身に付けるための教育訓練を行う。製品開発のトラブルを未然に防ぐマネジメント強化や、日付改ざんを防ぐためデータを一元管理するシステムの構築などを図るとした。
研究開発本部の責任者は前任の総括製造販売責任者が兼ねていたが、５月１日付で交代している。
同社は医薬品の製造・品質管理で多数の法令違反が判明し２月、福井県から業務停止と改善命令を受け、３月に県に対して改善計画を提出した。同社の担当者は「県への改善計画と合わせてしっかりと実行し、法令順守強化と信頼回復に努めていく」とした。
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