カーオーディオに興味を持ちつつも「最初の一歩を踏み出せない…」、そう感じているドライバー諸氏にカーオーディオ・プロショップの活用を強くお薦めしてきた当特集。今回はその最終回として、そこに行くと「悩みを解決できる」ことについて説明していく。
そこに行けば、不満に思っていることの“解決策”が見えてくる!
カーオーディオを趣味としていると、さまざまな局面で悩みが生じる。悩みは、自分1人で抱え込んでいても解決し難い。音に関する悩みはやはり、プロに相談するのが一番だ。
どのようなケースが有り得るのかを具体的に解説していこう。例えば女性ボーカルを好んで聴いていて、しかし声の艶っぽさが足りないと悩んでいたとするならば…。
原因はさまざま考えられる。スピーカー自体のポテンシャルに問題がある場合もあればチューニングが上手くいっていないということも考えられる。または、ソースユニットに問題があるのかもしれない。このようにさまざまな要因が思い当たり、そして何をすべきかに悩んでしまう…。
しかしプロショップに行って愛車のシステムを見てもらえば、不満を生み出していた主な要因を特定してもらえ、それに応じた解決策の提案を受けられる。
さらには、次にすべきことについても助言が得られる。例えばすでにスピーカー交換を実行してあったとしてそこからさらにサウンドクオリティを引き上げたいと思ったとき、何をすべきかを迷うことがある。そんなときもカーオーディオ・プロショップに行けば、今のシステムの状態や車種的な要因、さらには好きな音楽ジャンル等々を鑑みた上で、適切なアドバイスを受けられる。
またはやりたいことが決まっているときでも、最終的な製品選定において迷いが生じることもある。例えばスピーカー交換をしたいとき、最後は試聴しての印象で製品を選定すべきではあるけれど、現状のシステムに対しての向き不向きや今後のシステム発展プランにおいての向き不向きも考慮すべきだ。
スピーカーの場合は、内蔵パワーアンプで鳴らしやすいものもあれば外部パワーアンプで鳴らした方が真価が発揮しやすいモデルもある。そういった他のユニットとのマッチングの良し悪しについては、プロの助言を得られた方が安心だ。
サブウーファーのチョイスにおいては特に、プロの助言が参考になる!
サブウーファーの選定においても、プロの助言は大いに参考になる。というのもサブウーファーは、試聴してもその特徴が掴みづらいという性格があるからだ。
なぜなら、サブウーファーが担当する再生帯域には“倍音”成分がごくわずかしか含まれない。“倍音”とは音程を決定付ける“基音”に乗って響く音のことを指し、その響き方によって音色が決定される。そして“倍音”は“基音”の周波数に対して整数倍の関係となっている。
で、サブウーファーが担当する帯域の中には音階を伴う音は少ししか含まれておらず、その音に対しての“倍音”成分はさらに少なくなる。例えば4弦エレキベースの最低音は約40Hzで、その2倍音は約80Hzだがその音がすでにサブウーファーの再生帯域外だったりすることも多い。サブウーファーのクロスオーバーは60Hzあたりで設定されることが多いからだ。結果、試聴をしても音色的な違いは表れにくい。音色を決める成分を再生していないからだ。
なのでサブウーファーをチョイスする際には、音色的なこと以外に着目した方が良い。例えば、タイトな低音を出しやすいタイプもあれば、伸びやかな低音を出しやすいタイプもある。さらには切れ味が良いタイプもあれば、レンジが広いものもある。そういった特徴は、プロに聞くのが一番だ。
プロは、各ブランドのサブウーファーがそれぞれどのようなタイプなのかを取り付けた経験上で体験している。その経験にもとづいたアドバイスが大いに選定の参考になってくる。
そしてサブウーファーでは、どのようなパワーアンプと組み合わせるべきかも重要で、さらにはどのようなボックスで鳴らすかによっても得られるサウンド傾向が変わってくる。購入時にはそういった部分についてもプロのアドバイスを得られると、より的確なチョイスを行える。
プロセッサーの選定においても、プロ目線のアドバイスが効いてくる!
プロセッサーも、プロのアドバイスが重要になるアイテムの1つだ。機種ごとでシステム的な発展性や、組み合わせ可能なソースユニットのタイプが異なってくるからだ。それらについてはプロに聞いて確認しておいた方が良い。そこのところを軽んじると、後々買い替えの必要に迫られたりする。それは避けたい。
あと、カーオーディオ・プロショップにちょくちょく顔を出していると、新製品情報もキャッチしやすくなる。しかも、発売されたばかりの話題のモデルの音を早速聴けたりもする。今はネットでさまざまな情報を得られるが、生きた情報は足を使った方がゲットしやすい。ショップに行けば実機に触れられたりもするし、その音を聴いた生の意見も耳にできる。
ところで当特集の最後に、カーオーディオ・プロショップのバリューとして忘れてはならないもう1つのポイントについても説明しておこうと思う。それは「友人を見つけられる」というものだ。
趣味を深めたいと思ったとき、価値観を共有できる友人がいると一層楽しくなっていく。カーオーディオは主に1人で楽しむものなので、自分の世界に閉じこもりがちとなる。しかし趣味友ができると、他の人がどのような観点でどんな機材を選んでいるのかを知れるし、自分が何にこだわっているのかを聞いてもらえたりもする。そうして共感を得られる部分が互いに見つかると、楽しさも一層深まっていく。
カーオーディオ・プロショップに行けば同じ趣味を持つ人たちとも交流できるので、趣味友が自然と増えていく。
さて、当特集はいかがだったろうか。ドライブと音楽はセットだと思っているのなら、その音楽が今よりもっと良い音で楽しめるようになると、クルマの中で過ごす時間が一層充実してくる。カーオーディオ・プロショップに行けば、それが叶う。ぜひとも積極活用を♪
太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。
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