JX金属の村山誠一社長は28日の中期経営計画(2020~22年度)進ちょく説明会で、データ社会の進展加速による先端素材の需要拡大や銅価格の上昇を受け、「中計3カ年累計の営業利益は当初計画の1700億円から2500億円に上振れる見通しだ」と述べた。旺盛な需要に対応するため、半導体用ターゲットの能力増強を加速させるほか、圧延銅箔や高機能銅合金条などでの能力増強も検討していることを明らかにした。 中計3カ年累計の営業利益は2500億円となる見通しで、このうちフォーカス事業は1150億円(中計当初目標1千億円)、ベース事業は1870億円(同950億円)とともに当初目標を上回る見込み。フォーカス事業は需要伸長に対応した機動的な能力増強に基づく増販を増益につなげる。ベース事業も銅価格の上昇とコロナ禍の影響を除いても当初計画を上回る収益を見込む。 フォーカス事業では、半導体用ターゲットの販売量を当初計画比で約20%上方修正したが、足元ではその想定をさらに上回っている。このため、中計で計画していた能力増強の前倒し及び上積みに加え、次期中計期間の24年度までに17年度比で約2・2倍となる追加増強も検討している。また、圧延銅箔や高機能銅合金条も旺盛な需要に対応すべく、さらなる増強を検討しているほか、タンタル粉のタイ工場でもターゲット向けタンタル粉の設備増強を検討している。 ベース事業ではカセロネス銅鉱山においてコロナ禍の影響が長期化しているが、メンテナンス体制の強化などにより、22年度中に当初計画に近い生産水準へのキャッチアップを図る。また、タンタル、チタンを中心にレアメタルの具体的な資源開発案件の評価を行っているとした。製錬とリサイクルの一体運営の推進による競争力強化の取り組みではリサイクル原料の増処理を計画通りに進め、22年度に19年度比35%増の増処理を目指す。 一方、脱炭素に向けた取り組みでもある「ハイブリッド製錬」の推進では、2040年に銅製錬におけるリサイクル原料投入比率50%達成を目指す。精鉱処理による余剰熱発生を有効活用した高効率・大規模なリサイクルにより、エネルギー消費低減・資源の安定確保につなげる。また、リチウムイオン電池リサイクルの取り組みについては、敦賀でトンベースでの実証試験を進める計画で、硫酸ニッケルは21年上期、硫酸コバルトは22年上期からの回収開始を予定している。
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