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イスラエルとパレスチナのイスラム組織ハマスの交戦が激化する中、イスラエル軍は13日、ハマスが実効支配するガザ地区との境界に戦車や部隊を結集させた。地上作戦を検討しているとされる。
この日も、ハマスがイスラエルに向けてロケット弾を発射し、イスラエルがガザ地区を空爆する攻撃の連鎖が続いた。
イスラエルはガザ地区との境界付近に、歩兵部隊2隊と機甲部隊1隊を配置した。また、陸軍の予備兵7000人以上を招集した。
東エルサレムでの緊張の高まりを経て10日から続いている交戦は、激しさを増し、2014年以降で最悪となっている。死者はガザ地区で103人以上、イスラエルで7人となっている。
ガザ地区の保健省は地区内の死者について、子ども27人を含む多数の一般市民が含まれているとしている。一方、イスラエルは、ガザ地区の死者のうち多数は戦闘員だとし、ロケット弾の誤発射が原因の死者もいるとしている。
イスラエル南部スデロットでは、ロケット弾が民家に着弾し、少年が死亡した。少年はシェルターに避難していたが、ロケット弾の破片が貫通したという。
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イスラエルで治安警備を強化
イスラエルでは、ユダヤ人とアラブ系市民の暴徒らによる衝突も起きている。ルーベン・リブリン大統領は「無意味な内戦」の危険性を警告。ベニー・ガンツ国防相は治安部隊による取り締まりを強化し、400人以上が拘束されている。
このほか13日には、以下の出来事があった。
- レバノンからイスラエル北部沖の海にロケット弾3発が発射されたと、イスラエル国防軍(IDF)が発表した。発射した側は声明を出していない。レバノンには、2006年にイスラエルと1カ月間交戦したヒズボラなど、いくつかの武装組織が存在する
- イスラエル軍は、ガザ地区の目標を攻撃したと発表した。情報機関のビルや、武装勢力の住宅や企業などだという
- ハマスは再び、ガザ地区からイスラエルに向け多数のロケット弾を発射した。ハマスの広報担当は、攻撃能力の「ごく一部」しか見せていないとした
- 航空大手のオランダ・KLM、英ブリティッシュ・エアウェイズ、英ヴァージン・アトランティックはイスラエル行きの便を運航停止にした。到着便もテルアヴィヴ空港から南部の空港へと変更された
沈静化の予兆みえず
イスラエルの同盟国のアメリカを含め、国際社会からは事態の沈静化を求める声が高まっている。しかし、交戦が鎮まる気配はない。
ハマス幹部は、国際社会がイスラエルに対し、エルサレムのアルアクサ・モスクでの「軍事行動をやめるよう」圧力をかければ、それに応じて停戦する用意があると表明した。
だが、イスラエル軍のヒルダ・ジルバーマン報道官は、現時点で停戦を探ってはいないと、イスラエル紙タイムズ・オブ・イスラエルに述べた。

交戦の経緯
今回の攻撃の応酬は、東エルサレムで数週間にわたって、イスラエルとパレスチナの人々の間で緊張が高まっていたことが背景にある。イスラム教とユダヤ教の両方にとって聖地とされている場所で、衝突が起きていた。
イスラエルは1967年の第3次中東戦争以来、東エルサレムを占領し、エルサレム全体を国の首都としている。しかし、国際社会の大半はこれを認めていない。
一方のパレスチナ自治政府は、東エルサレムが、将来建設する国家の首都になるとしている。
近年では、イスラエルとパレスチナが領有権を争う東エルサレムのシェイク・ジャラー地区で、イスラエル人入植者がパレスチナ人の住人に立ち退きを迫っていることから、双方の緊張が高まっている。

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