
吉沢亮主演、大森美香脚本の大河ドラマ「青天を衝け」第12話。 産まれたばかりの娘・うたを抱きもしないで「家を出て天下のために働きてえと思う!」なんて言い出した渋沢栄一(吉沢亮)。 高崎城を乗っ取り、横浜の外国人居留地を焼き討ちに。何だかんだで幕府を転覆させる計画を企てており、実家に迷惑をかけるわけにはいかないと考えたからだ。 その行動が既に迷惑だよ! とは思うものの、出産直後の妻・千代(橋本愛)は栄一の決断を受け入れる。 「ひとつだけお願いがございます。うたを抱いてやっていただけませんか」 こんなけなげな頼みすらもスルーした栄一は、尊王攘夷に突っ走る。
「尊王」と言いつつ天皇の気持ちを知らない志士たち
69人分の血判を集めた尾高惇忠(田辺誠一)たち一派は、今日も今日とて尾高家で作戦会議。 そこに、京都に行っていた尾高長七郎(満島真之介)が帰ってくる。坂下門外の変にも参加しようとしていた武闘派。「これで百人力だい!」と栄一たちは沸き立つが……。 「これは暴挙だ、あにぃのはかりごとは間違っている。俺は同意できぬ!」 長七郎は計画に反対の立場を表明した。 参加メンバーは69人。用意した武器も刀70振りに槍が30本。確かに、これで城を攻め落とそうなんて正気かと聞きたくなるような作戦ではある。 しかし長七郎が反対するのは、計画の無謀さからだけではない。尊王攘夷の中心地である京都で、情勢の変化を目の当たりにしてしまったからだ。 「8月には大和で1000人以上もの手だれの同志が挙兵したが、あっという間に破れた」 これはいわゆる「八月十八日の政変」のこと。 孝明天皇の望んでいる攘夷に踏み切らない幕府に業を煮やした長州藩は、「無能な幕府に代わって、天皇自ら皇軍を率いて攘夷を行うべきだ」と朝廷工作を進めていた。 しかし当の孝明天皇は、攘夷を望んではいるものの武力による攘夷戦争はむちゃだと考えており(その辺は幕府に任せたい)、結果、攘夷急進派の公家や長州藩士たちが京都から排除された事件。 この時、警備に出動した壬生浪士隊は、その働きを高く評価され新撰組という名を拝命。以降、攘夷急進派の取り締まりに当たっていくことになる。 尊王攘夷の志士たちは「尊王」と言いつつも、孝明天皇の気持ちを理解できていなかったわけだが、天皇のために命を投げ打つ覚悟でいた志士からするとハシゴを外されてしまった感はぬぐえないだろう。 「世間の笑いものになろうが、愚かと言われようが、たとえ死んでも一矢報いてやろうと覚悟したんでねえか!」 あくまで命を捨てる覚悟の栄一に、長七郎は命を無駄にするむなしさを説く。 「オレは(坂下門外の変で死んだ)河野たちは国のため、天子さまのために命を捨てたのだと思っていた。しかし今は、あいつらが何のために死んでしまったのか分からねぇ」 ただの武闘派剣術バカかと思っていた長七郎が、学がある(と思われている)惇忠や栄一よりもまっとうなことを言っている。結局「うわーん!」と号泣しはじめた長七郎の勢いに圧倒され、計画は取りやめになった。
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