「インフラ整備の在り方をどこかで見直さなければならないかもしれない」――ソフトバンクの宮川潤一社長が11月4日の決算発表の質疑応答の場で、政府主導による通信料金引き下げの影響を認め、今後のインフラ整備計画の見直しを示唆する場面があった。
ソフトバンクが、同日に発表した2022年3月期第2四半期(21年4〜9月)決算。売上高は2兆7242億3400万円(前年同期比12.2%増)となり、第2四半期としては過去最高を記録した一方で、営業利益は5708億4600万円(同3.2%減)、最終利益は3072億5700万円(同2.5%減)となり、いずれも減少した。
その要因について、宮川社長は「(政府主導の)通信料金値下げの影響があった」と説明。収益予測を基に基地局など通信インフラの整備計画を立てていることから、長期にわたり減収が続けば、計画の見直す可能性を示唆した。
ただ、法人事業と、ヤフー・LINE事業の営業利益が、それぞれ15%と18%増加したことで、減収幅は最小限に収めた形。同社は2021年度の通期予想として売上高5兆5000億円、営業利益9750億円、純利益5000億円との見方を示しているが、進捗率がいずれも50%超であることから宮川社長は「いずれも達成できる見込み」と達成に向け自信を見せた。
NTTコムの子会社化には警戒感
質疑応答ではNTTが10月に発表した、NTTコミュニケーション子会社化に関する見解を問う質問も出た。
宮川社長は「もともと巨大すぎるから分割した2社が1つになるのは、かなり脅威」「競争政策としては、議論があっていいことだ」との見解を示し、警戒感をあらわに。2社の統合で、同社と競合する法人事業やDX事業が強化され、競争が激化する見通しだが「お互いに切磋琢磨して、負けないように頑張りたい」(宮川社長)とした。
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ヤフー・LINE事業、売上高35%増 PayPayの好調がけん引
売上高は全セグメントで増収となった。中でも際立つのが、ヤフー・LINE事業。売上高は7510億円(同35%増)、営業利益は1155億円(同18%増)と大幅に成長した。好調のけん引役となったのが、QRコード決済の「PayPay」だ。LINE Payとの統合効果などもあり、ユーザー数は4300万人を突破した他、決済回数は16.6億回(同81%増)、決済取扱高は2兆4000億円(同68%増)を記録した。
5Gプラン契約数1000万人突破、半導体不足でiPadの供給に影響
コンシューマー部門の売り上げは料金引き下げの影響を受けるも、携帯端末の販売数が回復したことで、1兆3784億円(同6%増)に。サブブランド「Y!mobile」(ワイモバ)と格安プランの「LINEMO」の契約数が増加し、スマートフォンの契約数は2650万ユーザー(同6%増)、5Gプランの契約数も1000万を超えた。宮川社長は「Yモバイルの反応がいい。契約数増加のために、これを強化していきたい」とワイモバの販売を強化する考えを示した。
その他、法人事業の売上高は3509億円(同5%増)となったものの、世界的な半導体不足で「iPadがなかなか手に入りにくくなっている」と事業への影響を明らかにした。
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