
北海道の開道100年を記念し、半世紀前に建設された「北海道百年記念塔」(札幌市厚別区)。道民のシンボルともいえる記念塔の解体計画をめぐり、建築の専門家らを含む複数の市民団体が反対している。老朽化などを理由とする道に対し、市民団体側は「鋼材の熟成であり、塔体は健全」と反論。計画の白紙撤回と新たな協議の場づくりを求めているが、道は「すでに決定済み」と取り合わない。各団体は解体阻止に向けて情報発信や署名活動など道民への呼びかけを進めている。
半世紀で「解体」北海道百年記念塔の建設が始まったのは「北海道」の命名100年を迎えた昭和43年。45年7月に完成し、46年4月から一般公開が始まった。総工費約5億円のうち半分は道民の寄付金で、残る半分が道の補助金で建てられた。
塔の高さは100メートル、鉄トラス構造で外装には耐候性鋼板を採用。未来を創造する道民の決意を示すモニュメントとして長年愛されてきた。しかし、平成26年に外板のさび片落下などが確認されて以降、安全上の理由から内部と周囲への立ち入りができない状態が続く。
道環境生活部によると、平成28年に設置された「北海道の歴史文化施設活性化に関する懇談会」の中で、記念塔をはじめとする百年記念施設の在り方の検討を開始。専門家らを交えた協議や住民アンケートなどの結果を踏まえ、30年12月に策定された「ほっかいどう歴史・文化・自然『体感』交流空間構想」に基づき、解体の方向性を決めたと説明する。
将来の維持費道の説明によると、解体を決めたのは公園利用者の安全確保と維持管理費が大きな理由だ。道が29年に試算した今後50年間のコストシミュレーションでは、内部立ち入りが可能な状態で維持する場合は総額約28億6千万円、モニュメントとして維持する場合は同じく約26億5千万円、解体には約4億1千万円がかかるという。
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