Monday, May 17, 2021

アートの扉:酒井駒子 よるくま 補色を効果的に - 毎日新聞

terasibon.blogspot.com
「よるくま」原画(偕成社、1999年)
「よるくま」原画(偕成社、1999年)

 男の子の手を引くクマの子。夜のように黒いから名前は「よるくま」という。同名の絵本「よるくま」(偕成社、1999年)に登場する一ページだ。深い夜に訪ねてきたよるくまが男の子を誘い、一緒に母クマを探しに家を出るシーン。未知の冒険へと足を踏み出す2人が描かれている。

 こうこうと明るい室内と、しんとした外の空気が黄と青の対比で表されている。白い画用紙にアクリル絵の具で描いた背景は、筆の跡や絵の具の濃淡が浮かび、表情が豊かだ。補色を効果的に用いており、コントラストの強い画面構成にもかかわらず目に優しい。筆跡に描く作者の姿も重なる。

 絵本作家、酒井駒子さんの初の本格的な個展が開かれている。98年のデビュー作から最新作に至る25冊の中から、本人が選んだ約250の原画が並ぶ。

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( アートの扉:酒井駒子 よるくま 補色を効果的に - 毎日新聞 )
https://ift.tt/3wd24IA
Share:

Related Posts:

0 Comments:

Post a Comment