香港政府は1月18日、経営難に陥っている大型テーマパークの海洋公園(Ocean Park)の大規模な再生計画を発表した。陸側の海濱楽園(The Waterfront)のエリアを無料にし、アトラクションごとに課金するほか、一部のアトラクションを廃止し、それに代わるアトラクションを作る案となっている。(香港経済新聞) オーシャンパークはここ数年、厳しい財政状態で、香港政府は2020年2月に106億4,000万香港ドルを投入して財政支援とアトラクションのリニューアル、公園の拡張計画を策定した。しかし、新型肺炎の感染拡大と長期化で2020年12月2日より3度目の休園をしている状況だ。そこで香港政府は、将来を考え根本的に改革することで再建することを決めた。 香港政府は、まず公園の1年間の運営費として16億7,000万香港ドルを投入。さらに自然保護や教育関連のプログラムを支援するため2022-23年度より4年間にわたって毎年2億8,000万香港ドル、合計11億2,000万香港ドルを補助する。政府から借り入れた借款54億香港ドルの返済開始を7年遅らせて2028年9月に開始し、2059年3月に終わるスケジュールに変更。今年7月以降の利息は免除する考えだ。 地下鉄駅そばのメインの入り口直後にある海濱楽園「山下園区(the lower park area)」は無料で開放する。小売、飲食、エンターテインメントの空間とするほか、延べ床面積4万2000平方メートルの低層ビルを建設する。児童遊園地、フリーマーケット用の空間なども造成。コンサートや文化的なイベントも開けるようにするほか、パンダ、亀、珍獣などをより知ってもらえる教育的空間も作る。小売店やレジャー施設の運営は外部に委託する。 香港政府は、南区(Southern District)の再開発計画「躍動港島南(Invigorating Island South)」と連動させることで人の流れをより活発にさせたいとしており、トレイルコースとの接続なども考えている。 山側にある「高峰楽園(The Summit)」と海濱楽園はロープウェーと列車で接続されているが、そこにジップライン、山を下るゴーカート、バンジージャンプなどを作る予定。キャンプ場やトレッキングコース、ヨガなどのプログラムを行える場所を造成する考えだ。 これまでのオーシャンパークや香港ディズニーランドのように、入場券を購入して乗り放題とするのではなく、アトラクションごとにチケットを購入する形式を取る。金額は10香港ドル~に設定。 これらの再開発に伴い、今後2~3年以内に耐用年数を過ぎるアトラクションについては、段階的に運行を停止する。その中には、観覧車の摩天巨輪(Ferris Wheel)、ローラーコースターの瘋狂過山車(The Dragon)ほか、極速之旅(The Abyss)、飛天鞦韆(Flying Swing)、滑浪飛船(Raging River)などが含まれる。イルカのショーを上演する収容人数3000人の海洋劇場(Ocean Theatre)も廃止の予定だ。
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