音楽家の坂本龍一(69)が、直腸がんであることを21日、公式サイトで公表した。2014年に中咽頭がんで闘病しており、自身2度目のがん罹患(りかん)となる。今月受けた手術は成功し、現在は入院加療中だが、可能な範囲で仕事を続ける方針。今後は「がんと生きる」ことになるとし「もう少しだけ音楽を作りたいと思っていますので」と強い決意と覚悟を示した。
一度は乗り越えたがんと、再び向き合うことになった。坂本は「中咽頭がんが6年を経て寛解し安堵していましたが、残念ながら新たに直腸がんがみつかりました」と報告。「大いに落胆しましたが、すばらしい先生方との出会いもあり、無事手術を終えて現在は治療に励んでいます」と心境を記した。ワールドワイドに活躍しているとあり英語、中国語と合わせた3カ国語で発表文を掲載した。
がんのステージは不明だが、関係者によると、昨年、体調が優れず自覚症状もあったため、日本の病院で検査を受け、がんが発覚。活動拠点の米・ニューヨークには戻らず、今年に入って手術を受け無事に成功。現在は入院加療中だという。期せずしてコロナ禍の医療現場を体感することにもなり、「未曽有のパンデミック下で医療機関、医療従事者、関係者のみなさまのご苦労が多いなか、真摯に患者と向き合う姿勢にはただただ頭が下がるばかりです」と感謝をつづった。
音楽活動は完全休止にはせず、「治療を受けながら出来る範囲で仕事を続けていくつもりです」と説明。3月30日に発売を控えるCDボックス「2020S」は、予定通りにリリース。3月5日から8月8日まで中国・北京で予定していた展覧会も、開催見込みとなっている。
14年6月に中咽頭がんと診断され、活動休止。15年12月公開の映画「母と暮せば」の劇中音楽で仕事復帰を果たした。いま一度、大病を克服するべく、「これからは『がんと生きる』ことになります。もう少しだけ音楽を作りたいと思っていますので、みなさまに見守っていただけたら幸です」と前向きな言葉をつづった。
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