(ブルームバーグ): 不動産・金融市場の過度な相場上昇やノンバンクによるリスクテーク、高水準の借り入れ継続がユーロ圏の安定への脅威になっていると、欧州中央銀行(ECB)が警鐘を鳴らした。
ECBが17日公表した金融安定報告書によれば、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)危機からの景気回復は短期的リスクが解消されたことを意味するものの、脆弱(ぜいじゃく)さが積み重なり、将来的に重大な結果をもたらす可能性がある。
「懸念は特に与信・資産・住宅市場活況の見えない部分、それにパンデミックが残した企業・公的部門の債務水準上昇に関連している」とし、1990年代に当時のグリーンスパン米連邦準備制度理事会(FRB)議長がドットコムバブルについて警告した表現を繰り返した。
ECBが前回の金融安定報告書を5月に発表してから、19カ国から成るユーロ圏は急速に持ち直した。株式相場も世界的な株高の流れに乗り、特にリスクが高めの分野に対して投資家の需要が高まっている。
ECBは住宅分野での脆弱性の高まりを強調。パンデミック前に評価額がすでに高水準だった国に触れ、市場は「調整に一段と傾いている」とし、投資ファンドや保険会社、年金基金による低格付け企業債務へのエクスポージャーが悪化した場合、「大きな信用損失」に直面する可能性があると警戒感を示した。
デギンドスECB副総裁は報告書で「目覚ましい浮力を保っている株式とリスク資産の市場は、調整の影響をより受けやすくなっている」と指摘。「定評のある市場参加者がさらに目新しく、より特異な投資を探る例があり、並行して、ユーロ圏の住宅市場は急拡大し、それに応じて貸し付け基準が厳しくなっている兆しはほとんどない」とコメントした。
ECBによれば、新型コロナからの景気回復は安定化要因だ。高水準の企業デフォルト(債務不履行)率と銀行の損失というリスクは「大幅」に低下し、記録的な低金利により債務の持続可能性に対する懸念も緩和された。
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