Tuesday, October 19, 2021

AnkerのAndroid TV端末は、Amazon Fire TVと比べてどうなのか - AV Watch

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拡張BoxにAnker参戦

テレビに後付で機能拡張できるボックスは、米国では10年ぐらい前からブームになっているところだ。一方日本では家電メーカーが強いせいか、またはリモコンを沢山持ちたくないせいか、テレビ内蔵型が好まれる傾向があったが、昨今もようやく外付けボックスが市民権を得てきた感がある。

先日もAmazon Fire TV Stick 4K Maxを扱ったところだが、今回はAndroid TV端末であるAnker「Nebula 4K Streaming Dongle」を取り上げる。Android TVはテレビにビルトインされるケースが多く、外付け製品としてはGoogleの「Chromecast with Google TV」のほか、エプソン、ピクセラなどが製品化している。ここにAnkerが参入するわけである。

Nebula 4K Streaming Dongle パッケージ

すでに10月6日から販売を開始しており、Amazonでは初回セールとして300台限定で7,980円で販売していたが、発売翌日には完売した。現在は定価の8,980円で販売されている。

NebulaはAnkerの映像機器ブランドで、小型プロジェクタがよく知られるところだ。このプロジェクタ製品にもAndroid TVが内蔵されており、本製品はその経験を活かしつつ4K対応したような製品とも言える。そんなAnkerの4K Android TVを、早速試してみたい。

Google正式対応の強さ

本機利用の一番最初は、まずリモコンとのペアリングからである。ここだけは英語メニューなので戸惑う人が多いと思うが、図が示すとおり、本体と20cm以内の距離にリモコンを持ってきて、「ホーム」と「戻る」ボタンを同時に10秒押すと、ペアリングが完了する。

最初のリモコンとのペアリングだけ英語メニュー

その後は言語設定を日本語に設定すれば、日本語で設定が進む。その後、Googleアカウントとの紐付けを行なうと、Googleアシスタントなどの機能が使えるようになる。

Googleアカウントでログインする

AnkerのAndroid TVといえば、2019年にプロジェクタの「Nebula Capsule II」をレビューしている。ポータブルプロジェクタだが、中身はAndroid TVで動いているという製品だった。ただしGoogle Play Storeが使えず、別アプリ経由でインストールするという変則的な手法を取らざるを得なかった。

一方本機はGoogleの認証を通っており、Google Play Storeからのアプリインストールが可能だ。本来こうあるべきという姿にようやくなった気がする。

ネットワーク設定などを済ませると、リモコン機能の設定となる。ここはスキップしても構わないが、このリモコンでテレビを操作したい場合は設定しておこう。

リモコンの設定画面

一通り設定が終わると、ホーム画面になる。だがAndroid TV 10.0でホーム画面のUIが刷新されるなどの違いがあるため、先に設定画面へいき、アプリのアップデートを済ませたほうがいいだろう。

アプリのアップデートを先に済ませておく

旧バージョンのホーム画面は、左側にサービスが並んでいるスタイルだったが、新UIではこれが廃止され、画面上部に[ホーム]-[おすすめ]-[アプリ]というメニューが表示されるようになった。

Android TVの旧UI
こちらが新UI

ホーム画面では、お気に入りアプリが上段に並ぶのはこれまで同様だが、利用できるサービスごとにおすすめ動画のサムネイルが並ぶようになっている。

利用できるサービスごとにおすすめ動画が並ぶ

サムネイルのスクロールもなかなか高速だ。先週のFire TV Stick 4K Maxが「ぬるぬるで速い」というレスポンスだったが、本機の場合は「パラパラで速い」という印象だ。サムネイル表示を飛ばしてしまうところもあるが、もたついた印象がない。ただスクロールして表示されるサムネイルの数としては、Fire TV Stick 4K Maxの半分ぐらいである。このあたりは機体の性能差というよりは、OSの違いだろう。

今回の目玉はどちらかというと「おすすめ」画面である。これを選ぶと、コンテンツの種類別にサムネイルがまとめられる。この方式が面白いのは、どの配信プラットフォームかは関係なく、貫きでコンテンツが並ぶところである。

なにげに便利な「おすすめ」画面

見ているコンテンツがAmazonやNetflixにバラけていると、どれがどのサービスで配信されているのか忘れてしまうことがある。Netflixに入ったあと「あれ、ここじゃなかった」と引き返すことになりがちだ。おすすめ画面では、そうした混乱が防げるはずである。

複数のサービスにまたがって配信されているコンテンツは、どのサービスで視聴するかが選べるようになっている。

複数のサービスで配信されている番組は、どれで視聴するかが選べる

こうした貫き型検索は、米国のケーブルテレビのUIからスタートし、日本でも一部のケーブルテレビでは採用されているが、あまり広く認知されているわけではない。コンテンツ視聴が複数サービスにまたがっている場合は、こうした機能が重視されてくるだろうし、逆に自社サービスをメインに据えたいAmazonでは採用されそうにない機能である。このあたりがGoogleの強みという事だろう。

アニメファン、音楽ファンにお勧め

では実際にコンテンツを視聴してみよう。おすすめに出てくるコンテンツは、ユーザーの好みを学習させる事ができる。サンプルとしてコンテンツのタイトルが表示されるので、好き嫌いを振り分けていくと、それに応じておすすめに出てくるコンテンツが変わっていくわけだ。

おすすめコンテンツは自分の好みを選んでカスタマイズできる

AmazonのFire TVと比較すると、サービスにAbema TVやhuluが含まれることもあり、アニメの選択肢が豊富だ。いつも見ているコンテンツが出てこないというケースもあるが、新しい出会いや、そういえばこれ見てなかったみたいなコンテンツが見つかりやすい。

「Googleで話題」というくくりも面白い。Googleでよく検索されるものからピックアップされるということもあり、最近新作が上映開始された「Dune」の旧作や、ドラマがスタートした「日本沈没」の旧作が出てくるなど、旬を押さえた提案がツボである。

「Googleで話題」のコーナーも気が利いている

加えてYouTubeがラインナップにあるのは、音楽に興味関心が高い人にお勧めできる。サブスクでは配信されない音楽コンテンツや音楽PVなどがどんどん選択肢に上がってくるからだ。スマホではゆっくりPVを見ている時間がないという人でも、テレビの前に座ればまた見たくなるだろう。ぜひ上質のサウンドバーなど、音楽再生に耐えられるスピーカーを繋いでおきたいところだ。

総論

Android TVは、対応テレビがないとなかなか使う機会のないプラットフォームではあるが、こうして1万円以下の後付製品が登場したことで、Amazon Fire TVとはまた違う文化圏があるのがわかる。

Google自体での動画コンテンツ配信はいわゆる低額レンタル方式で、サブスク全盛の今となってはあまり利用頻度も高まらないが、Nebula 4K Streaming DongleではNetflixやAmazon Primeビデオ、Disney+など多彩なサービスが使えるうえに、YouTubeがあるのは強い。

昨今テレビでも単独でYouTubeに対応するものも多いが、Android TVでは他のサービスとも並列で選択肢が出てくるので、アニメに飽きたら音楽へ流れるといった連続性がある。またSNSで知ったYouTube動画もスマホからChromecastで飛ばせるので、続きはテレビで、という流れもある。これはスマホ以上に時間泥棒になりうるマシンだ。

映像出力も4K対応で、音声もDolby Digital Plus対応なので、サラウンドコンテンツも楽しめる。Amazonに巻き取られるのを良しとしない人だけでなく、いろんなサービスを横断的に使いたいという人にお薦めしたい一品だ。筆者宅には先週Amazon Fire TV Stick 4K Maxが届いたばかりだが、「これはこれでアリ」な気がしてウズウズしているところである。

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