株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、ECサイト構築支援サービス市場を調査し、市場概況、サービス事業者の動向を明らかにした。ここではその概要についてポイントを絞って見ていく。
調査概要
1.調査期間: 2021年2月~5月
2.調査対象: ECサイト構築支援サービス提供事業者等
3.調査方法: 同社専門研究員による直接面談(Web取材含)、電話によるヒアリング、文献調査併用
2020年は、1,680億円規模
コロナ禍において、対面でのビジネスが困難となり、EC化率が急増し、ECによる取引が世界中で急拡大している。それに伴い、ECサイトの構築支援サービスを提供する事業者が増え、関連する市場も共に拡大している。
EC技術の進展により、ECサイトを利用し販売する事業者は様々な支援サービスを活用することで、より低コストで簡単にECサイトを構築・運用することが可能だ。また、無料のECプラットフォームが増えており、参入障壁が低くなって、小規模なEC事業者の新規参入が増加傾向にある。
それに加えて、新型コロナウイルスの影響で、これまでECに参入していなかった大手のユーザー企業も新たにEC事業に参入、あるいは既存のEC事業を強化している。
2020年度の国内ECサイト構築支援サービス市場(事業者売上高ベース)は 、新型コロナウイルスの影響による巣ごもり需要拡大を背景として、前年度比108.6%の1,680億円に達したと推計している。
クラウド型サービスが主流に
ECサイトの開発手法のトレンドとしては、開発スピードとコストの面でクラウド型が近年注目を集めている。クラウド型ソリューションの特徴は、圧倒的な開発スピード、低コスト、拡張性だ。
またユーザー企業のECショップの事業規模が拡大したら、それに応じて必要な機能を追加したり、外部システムとの連携なども可能になっている。
このようなメリットから、クラウド型のECサイト構築支援サービスへの参入事業者が増えて、今後の市場はクラウド型が主流になっていく見通しだ。
クラウド型のECサイト構築支援サービスとしては、グローバル展開が簡易にできる「Shopify」や、初期費用無料でECサイトが構築できる「BASE」、「STORES」などのサービスが注目されている。
2024年度には2,005億円市場に拡大
国内のECサイト構築支援サービス市場は今後もコロナ禍で巣ごもり需要など特需がしばらくは続くとともに、EC需要の増加を背景として成長し続ける見込みだ。
加えて、クラウド型サービスが増えたことによって参入障壁が下がり、小規模のEC事業者が引き続き増加していることも要因としてあげている。
同社は、このような状況から市場は今後も引き続き成長し、2021年度の国内ECサイト構築支援サービス市場規模(事業者売上高ベース)は前年度比105.4%の1,770億円、2024年度には2,005億円にまで拡大すると予測している。
新型コロナウイルスによる感染拡大の影響により、加速度的なDXが進む中、EC市場も大きく成長が進んでいる。
今後もそうしたニーズをとらえてECサイト構築支援サービス市場も熱度を増すものと見られ、よりEC事業者と消費者にとって有用なソリューションが提供されることに期待したい。
からの記事と詳細 ( ECサイト構築支援サービス市場は、2024年度に2,005億円規模に拡大|ECのミカタ - ECのミカタ )
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