Tuesday, June 29, 2021

業績改善計画など報告 チッソ株主総会 - 朝日新聞デジタル

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 【熊本】水俣病の原因企業チッソの株主総会が29日、大阪市内であった。木庭竜一社長(67)らが株主に、5年連続の最終赤字となった2021年3月期連結決算や、今年3月に公表した業績改善のための計画(2020~24年度)に関係する取り組みについて報告した。

 この日は21人の株主が出席し、同計画の現状や水俣地域の経済・雇用への影響について質問した。木庭社長は計画について「順調にいっているとみている。ただ満足できる数字ではなく、早く(同計画で24年度の目標とする経常利益の)55億円は達成したい」と語った。また、同社は希望退職も募集するが、水俣地域については「水俣に対しては地域貢献があるので、全社的には人を減らすが、水俣を特別に減らすわけではない」と述べた。

 今年も新型コロナウイルス感染拡大防止のため、株主には会場に入る前に検温や手指の消毒を求め、席の間の間隔を広くした。

     ◇

 チッソの木庭竜一社長は株主総会後、朝日新聞などの取材に応じた。主な質問と発言は次の通り。

 ――業績改善のための計画の進み具合は。

 まず赤字を止めることを最優先にやってきたが、一応止められた。(経常利益などが黒字化し)業績として上向いてきている。

 ――2024年度の経常利益の目標(55億円)は必達ですか。

 必達目標です。そのつもりでやっています。

 ――希望退職を募ると発表しました。

 120人募るのが我々として初めて。これ以上にやるつもりはない。対象者全員に丁寧な説明をしているので少し時間がかかる。

 ――JNC水俣製造所にも影響があるのでは。

 あると思います。全社的にやりますので。ただどこかの事業部がなくなるという話ではない。全社的に最適な人員構成にしていく。

 ――政府からは水俣地域の雇用に最大限の配慮をするよう求められています。

 新入社員も最低限にしているが、水俣では数人入っていただいた。特に水俣は優先的に考えている。

 ――水俣病被害者救済法(特措法)に基づく事業会社JNC株の上場・売却の考えは。

 いまの赤字の状況をまず脱して、目標の数値を達成するまでは、なかなか上場は難しい。企業価値がついてこない。

 ――白川発電所の売却を発表したが、資産売却はこれからも進めますか。

 ある程度やれるところはやっていきたいと考えている。構造改革にはお金は必要で、今回できるものをやった。白川(発電所)はリースバック方式をとっているので、ある程度資金がたまったら、また買い戻すことを考えている。(奥正光)

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