2021年06月26日07時12分
【ワシントン時事】バイデン米大統領は24日、議会上院の超党派グループと8年間で1兆2090億ドル(約134兆円)のインフラ投資計画で合意にこぎ着けた。与野党の「団結」を優先するあまり、投資規模は当初案からほぼ半減。党派間の溝の深さがかえって浮き彫りとなった。
インフラ投資は米政権の懸案で、トランプ前大統領も超党派による10年間で2兆ドル規模の投資計画を検討したが、実現しなかった。今回の合意を受けてホワイトハウスは「ほぼ100年ぶりとなる最も大規模な長期投資だ」と成果を強調した。
しかし、バイデン氏が3月末に発表した当初の投資規模は8年間で2兆ドル超。野党共和党との約1カ月半にわたる協議は、財源に当て込んだ法人税増税がネックとなって決裂し、与野党の中道議員ら超党派に計画策定を働き掛ける方針に転換せざるを得なくなった。
それでも合意した投資規模は、当初のほぼ半分にとどまる。「小さな政府」を旗印とする共和党の議員が反対した4000億ドルの高齢者介護向け事業などがごっそり抜け落ちたためだ。一方、バイデン氏もインフラ使用料やガソリン税増税で財源を賄う代案に抵抗し、双方が歩み寄れる余地は限られていた。
バイデン氏は超党派と合意できなかった投資分野について、子育てや教育など福祉関連に10年間で1兆8000億ドルを投じる別の計画とともに、なお実現を目指す構え。与党民主党は上院で単独可決できる特別措置の発動を検討する。
記者会見したバイデン氏は、超党派との合意部分だけが議会で可決されても「(法案には)署名しない」と明言。公約でうたった大規模成長戦略の全てをあくまで実行に移す考えを強調した。
これに対し、上院共和党トップのマコネル院内総務は、バイデン氏が「超党派主義を表明しながら、左派を代表して(共和党に)最後通告を行った」と批判。議会での法案審議を前に与野党対立がヒートアップし、バイデン氏の訴える「団結」が試される事態となっている。
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