Sunday, September 20, 2020

社説 政治はどこへ 沖縄辺野古基地 定かでない計画を見直せ - 信濃毎日新聞

 世界で一番危険な普天間、その危険除去のために進める―。

 沖縄県に建造する米軍辺野古基地の実現性を問われ、菅義偉首相はこう答えている。

 安倍政権で沖縄基地負担軽減担当を兼務する官房長官として、辺野古の埋め立てを強行してきた。その姿勢を改め、沖縄と向き合う気は毛頭ないようだ。

 沖縄の人々は繰り返し反対の民意を示している。日米関係を重視するあまり、自治を軽んじるのでは本末転倒になる。

 日米両国は1996年、米軍普天間飛行場を日本に返し、代替施設を用意することで合意した。ヘリポートを確保する内容だった代替施設は、普天間にもない機能を備えた大規模な「新基地」計画へとすり替わった。

 沖縄県が受け入れ条件とした使用期限の設定も、閣議決定で破棄された経緯がある。

 安倍政権は抗議する県民を強権的に取り締まった。手続きを拒む県を「普天間が固定化する」「損害賠償を請求する」と脅し、予算も減らして揺さぶりをかけた。姑息(こそく)というほかない。

 ただ、追い込まれているのは国かもしれない。辺野古の予定地には軟弱地盤が広がる。この事実を伏せてきた政府は、いまさらのように埋め立て設計を変更し、沖縄県に申請している。

 地盤改良を伴い、工期は当初想定の5年から9年3カ月に、工費は3倍近い9300億円にはねあがった。より深い海底にも軟弱地盤があるとされ、工期や工費がさらに膨らむ恐れは強い。

 定かでない完成まで「世界一危険な普天間」を県民に受け入れろというのか。辺野古とは切り離して運用停止を要請するのが、安全を守る政府の責務だろう。

 米軍は海兵隊の戦域を中東からアジア太平洋に移す戦略を描いている。辺野古は日本防衛のためというより、対中国戦略の一環ではないのか。日本の外交方針と一致するのかも疑わしい。

 もつれた糸をほぐすには、日米両政府と沖縄県で、辺野古基地の必要の有無から話し合わなくてはならない。既に返還合意に至っている他の米軍施設についても、期限や条件を見直したい。

 沖縄の人たちは、米軍による騒音や事故、事件に苦しめられてきた。菅政権に求められるのは、地位協定の改定も含めた協議の場を整えることにほかならない。

(9月21日)

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