
山陰中央テレビ
島根原発2号機について審査合格により、原発そのものの安全審査は合格となりましたが、私たち住民の生活に直結する「避難計画」については課題が山積しています。 有事の際の避難計画とは、現場を取材すると課題が見えてきました。 (菅首相) 「島根地域の緊急時対応を了承しました避難経路の確保や他県にまたがる広域的避難など地域固有の課題に対応していく必要がある」 9月7日の原子力防災会議、菅首相はこの日了承された島根原発の避難計画に対し「県外避難」など課題に対応するようくぎを刺しました。 この避難計画は今回の安全審査の審査項目に含まれていませんが、再稼働に向けた地元自治体による同意手続の際に大きな判断材料のひとつになります。 島根原発で事故が起きた際にどのように避難すべきか。 住民は知っているのでしょうか。 (街の声)「ちゃんと見てなかった。市のラインなどあれば嬉しいが」 (街の声)「逃げないかもしれない」 ニュースイットでは松江市内で50人にアンケート。 その結果避難先を知ってる人が15人、知らない人が35人という結果になりました。 避難計画の周知は課題のひとつです。 事故に備えた避難計画は2011年の東日本大震災による福島原発の事故を教訓にそのエリアは原発から30キロ圏内に拡大され、島根原発の避難対象は、松江市や出雲市、鳥取県西部の米子市など島根・鳥取両県の6市合わせて46万人に上ります。 そして避難計画では原発30キロ圏内の自治体ごとに住民の避難先を割り振っています。 例えば松江市は浜田市、益田市など島根県西部や岡山県、広島県に。 また安来市は岡山県内に避難し30キロ圏外に出る計画になっています。 (街の声) 「(避難計画についての不安は?)建設中の高速道(山陰道)が開通するとまた違うだろうけど。まだ先の話だろうし」 この避難計画について原発が立地する松江市鹿島町を取材、するとこんな課題が。 鹿島町は大田市に避難するよう定められています。 自家用車か用意されたバスで移動することになりますが、大田市に向かう輸送バスの発着所御津交流センターでは。 (鹿島町御津地区田中源一自治会長) 「ここの指定避難所は土砂災害で(使えなくなる)。全部マルのついた万全な避難場所を作ってほしい」 看板には土砂災害時には使えないという表示が。 大震災による原発事故の際には使えないことになります。 また事故の際にまず身を寄せる御津老人福祉センターでは。 (鹿島町御津地区田中源一自治会長) 「震災害にはだめという表示がしてあるので、見直してほしい」 耐震基準を満たしていないため、こちらも大震災と原発事故が重なった場合一時避難所として使えないのです。 さらに懸念は県外への避難です。 岡山県の27市町村には、松江市と安来市から約10万人、広島県の22市町には松江市、出雲市、雲南市の17万人が避難する計画ですが、その受け入れ先にも課題がありました。 (岡山市危機管理担当課藤田朗課長) 「リサーチパークが売却されてしまい、経由地としての車両の置き場の確保ができなくなった」 岡山市内の避難所へ向かうために住民4000人を受け入れる予定だった市内の中継地点が去年企業に売却され、代わりの中継地を探している状況といいます。 (島根県原子力対策課佐藤淳課長) 「一部の土地が当初の用途で使えないのであれば、代替となるところを探してほしい」 避難計画はできているものの原発のおひざ元だけでなく、受け入れ先の準備も整っていない状況です。 さらにコロナ禍の中全ての避難先で感染拡大防止対策も必要です。 今回原発そのものの安全審査に合格が出ましたが、住民の安全確保は別です。 全国で唯一県庁所在地に立地する島根原発。 今後控える地元同意に向けより実践に即した避難計画が求められます。
からの記事と詳細 ( 2号機正式合格 地元同意に向け重要な避難計画の課題(島根県・鳥取県・岡山県・広島県)(TSKさんいん中央テレビ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
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