Sunday, September 5, 2021

京都で物議を醸す日本最古の公立植物園の未来 - 産経ニュース

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整備計画をめぐり反発の声が上がっている京都府立植物園の正門=京都市左京区の京都府立植物園(桑村大撮影)
整備計画をめぐり反発の声が上がっている京都府立植物園の正門=京都市左京区の京都府立植物園(桑村大撮影)

100年近い歴史を誇る京都府立植物園周辺の「北山エリア」(京都市左京区)の整備計画をめぐり、地元が揺れている。商業施設などを併設して活性化を図る計画によって、植物の栽培に欠かせないバックヤードが縮小されたり、園を囲む生け垣が伐採されたりする可能性があると懸念されており、関係者は計画の見直しを求める署名活動を開始。植物園のあり方にも一石を投じる計画の行方に注目が集まっている。

渦中の府立植物園は大正13(1924)年に開園した全国初の公立植物園。広さ約24ヘクタールの園内には、国内最大級の「観覧温室」や日本各地の山野の植生を再現した「日本の森・植物生態園」といったエリアが設けられ、希少種や四季折々の草花など約1万2千種に及ぶ植物が栽培されている。年間80万人以上が訪れる「憩いの場」としても親しまれている。

そんな植物園周辺を対象に府は昨年12月、地域のにぎわい創出を目的とした「北山エリア整備基本計画」を策定。もともと北山一帯は、植物園のほか府立大や京都コンサートホールなどの文化施設が賀茂川のほとりに立地する緑豊かなエリアだ。ただ、「各施設は区切られた閉鎖的な空間で、府民にとって往来しにくい」「にぎわい・交流機能が少なく、訪れた人が滞在しにくい」といった課題もあり、府側には、再開発を通じてエリアの魅力向上を図りたい考えがある。

バックヤードにも影響か
レストランなどの施設の設置を計画している京都府立植物園の西側。木々の向こうには園のバックヤードなどがある=京都市左京区(桑村大撮影)
レストランなどの施設の設置を計画している京都府立植物園の西側。木々の向こうには園のバックヤードなどがある=京都市左京区(桑村大撮影)

物議を醸しているのが、府立植物園の整備をめぐる方向性だ。計画では園内に人を呼び込めるよう、園北部や園西側の賀茂川沿いに商業施設やレストラン、ミュージアムショップを設置し、店内からも入園できる構造とした。だが、園を囲む貴重なウバメガシの生け垣が伐採される恐れがあるほか、植物を育てる賀茂川沿いのバックヤードへの影響も懸念されるとして、全国の園芸・植物園関係者や近隣住民らがそれぞれ計画の見直しを求める会を発足させ、署名活動を開始。「植物園というより、もはや公園だ」と訴え続け、集まった7万筆以上を西脇隆俊府知事宛てに提出している。

園関係者も「バックヤードには温室のボイラー室や園内に水を送るポンプ室があり、栽培中の植物を管理するためのハウスも並ぶ。〝植物園の心臓部〟といえる場所なので、今の環境を守ってほしい」と明かす。

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