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任天堂は今年中にも韓国のサムスン電子製の有機ELディスプレーを採用した新型の家庭用ゲーム機「スイッチ」を発売することを計画している。現行モデルより一回り大きなタッチパネルの採用で、年末商戦に向けた需要を喚起したい考えだ。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
同関係者らによると、 サムスン電子傘下サムスンディスプレーは、解像度1280×720ピクセルの7インチの有機ELパネルの本格生産を6月にも開始する予定。サイズは現行モデルの6.2インチから大型化する。当初は月産100万個弱の規模で生産することを計画している。組み立て委託先へのディスプレーの出荷は7月ごろとなる見通し。任天堂とサムスンディスプレーの広報担当はコメントを控えた。
新型コロナウイルスの感染拡大による生活スタイルの変化などで「あつまれどうぶつの森」のようなヒット作にも恵まれたが、すでにスイッチも発売から5年目に入っており、 ソニーの「プレイステーション(PS)5」や マイクロソフトの「Xbox」に対抗するための販売強化策が必要となっている。
インターネット上ではゲーム愛好家を中心にスイッチへの有機EL採用を巡る臆測が飛び交っているが、同社はこれまでのところ沈黙を守っている。任天堂の古川俊太郎社長は2月、すぐに新型のスイッチを発表する予定はないと述べていた。しかし、サムスン電子の関与は、任天堂がスイッチの刷新に本格的に取り組んでいることを示す兆候といえる。
ディスプレー関連の調査分析を行うDSCCの共同創業者である 田村喜男氏は、「スイッチが現在採用している液晶ディスプレーと比較して、有機ELパネルはバッテリー消費、画面のコントラスト、レスポンス速度などが向上する可能性がある」と分析する。
関係者によると、任天堂が採用するのはガラスの基板を使った硬い「リジッド有機EL」と呼ばれる廉価なパネル。また、高解像度規格「4K」の出力にも対応するという。ゲーム機本体の大きさに変更がなければベゼル(枠部分)の幅が狭くなる可能性が高いという。
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