熊本市の肥後銀行と鹿児島銀行を傘下に置く九州フィナンシャルグループは２４日、第３次中期経営計画（２０２１～２３年度）を発表した。長引く低金利や相次ぐ自然災害、新型コロナウイルス禍を踏まえ、従来の銀行業務に過度に依存しない「持続可能なビジネスモデル」への転換を打ち出した。
１０年後のビジョンに「地域価値共創グループへの進化」を据えた。これまでは「九州トップの総合金融グループ」を掲げてきたが、金融を外した。純利益に占める非銀行部門の割合を、現行の１０％から３０年度には４０％に引き上げる。
向こう３年間は「改革」と位置付ける第１段階。非金融ビジネスでは顧客の業務のデジタル化支援、販路拡大のための商社機能強化などに力を入れる。金融面では銀行、証券、信託の連携を強める。
また、３年間で１２０億円規模のデジタル投資を実行。スマートフォンアプリの開発や事務効率化を進める。国内約２５０店舗のうち約６０店で、一つの店舗に複数の店舗を同居させる「店舗内店舗」の導入や業務縮小などをする。これらによって捻出した３４０人ほどを、コンサルティングや非金融部門に振り向ける。
２３年度の連結純利益目標は２６０億円で、２１年３月期予想に比べ１１０億円増える。熊本市内で会見した笠原慶久社長は「若手や社外役員の意見、現場の視点も取り入れており、実現可能性の高い計画だ」と述べた。（中原功一朗）
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