Thursday, March 4, 2021

中国全人代が開幕…新5か年計画の成長率目標、極めて異例の「明示なし」 - 読売新聞

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 【北京=小川直樹、中川孝之】中国の国会にあたる全国人民代表大会(全人代)が5日午前、北京の人民大会堂で開幕した。李克強リークォーチャン首相は政府活動報告で、2021年の国内総生産(GDP)成長率目標を「6%以上」と設定した一方、25年までの新5か年計画の成長率目標の提示は見送った。新型コロナウイルスの世界的大流行や米中対立の長期化など不確実性が高まっていることを考慮したとみられる。

 5か年計画は今後5年の経済・社会政策を方向付けるもので、前回の5か年計画は、その初年に開催された全人代の政府活動報告の中で「年平均6・5%以上」と明示していた。5か年計画の成長率目標を示さないのは極めて異例だ。

 李氏は、今後の経済目標については「実際の状況に応じて目標を打ち出す」と述べた。習近平シージンピン政権は、先行きの不確実性への考慮に加え、成長のスピードより経済の質や効率を最優先する姿勢を鮮明にした。

 5か年計画は「科学技術の自立自強を国の発展の戦略的な支えにする」とし、社会全体の研究開発費を年平均7%以上増やすとした。人工知能(AI)や量子技術、半導体などの先端分野が念頭にある。内需拡大やサプライチェーン(部品供給網)の強化、デジタル社会化を促す「デジタル中国」の構築も盛り込んだ。

 政府活動報告は、「6%以上」と設定した21年の成長率目標について、「経済運営の回復状況を考慮した」と説明した。20年は新型コロナウイルスの影響を受け、設定を見送っていた。

 今年の予算案も公表され、国防費(軍事費)は、前年比6・8%増の1兆3553億元(約22兆5000億円)となった。伸び率は昨年(6・6%)を上回り、米国への対抗を目指す軍拡方針が改めて鮮明となった。日本の21年度予算案の防衛費(5兆3422億円)の4倍以上の規模となる。

 全人代では、35年まで15年間の長期目標も審議する。習国家主席の長期政権に向けた布石との見方がある。香港の選挙制度見直しも議題となる。全人代高官は5日、香港政府トップの行政長官を選ぶ選挙委員会の構成と立法会(議会)議員の選挙制度を見直す方針を示した。

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