乗り心地やハンドリングがマイルドで優しい印象のA5
ドライブモードは「コンフォート」からスタートしたが、タイヤとボディ形状の違いからか乗り心地がコツコツすることもなく、滑らかでユッタリとしている。特に「コンフォート」では収束が少し緩い代わりに、伸びやかな車体の動きだ。ロードノイズも低く抑えられていた。こちらの装着タイヤはブリジストン「ポテンザS001」で、タイヤサイズが235/35R19のオプションの大径タイヤを履く。
ドライブモードを「ダイナミック」に変更する。突如、乗り心地が引き締められる。ショックアブソーバー制御が前後とも特に伸び側の減衰力が上がるために、コーナーでの安定性は高くなり、タイヤのグリップ力をよく活かせる設定になる。当然路面からのショックには素直に反応してゴツゴツとした印象だ。中低速では路面からの突き上げが大きく感じられる。
操舵力も重くなるが、それに応じてハンドルが元に戻ろうとする力も大きくなるが、操舵の滑らかさはどのドライブモードを選んでも変わらない。街中が主体となる乗り方なら「オート」を選択しておけば、必要に応じてショックアブソーバーの減衰力を選択してくれるので、広い路面速度領域をカバーできる。キックバックも小さくなり「コンフォート」モードに近くなる。メリハリ感は乏しくなってしまうが楽なモードだ。A5ともっと深く付き合いたいと思えばドライブモードを変えればA5 スポーツバックのいろんな面も知ることができる。
ちなみにドライブモードをエコに相当する「エフィシェンシー」にすると、操舵力も軽くなってアクセルのツキも鈍くなるが、季節のいい時に窓を開けて走るとしっくりくるモードだった。
トランスミッションはデュアルクラッチの7速S-Tronic。発進時など路面傾斜や段差などがある場面などではトルコンATに比較するとS-tronic特有のモタツキを感じる事があるが、ほとんどの場面でスムース。多くのユーザーはデュアルクラッチと気づかない。変速時のマナーがよくステップを細かく刻める7速は小気味よい。郊外を流す時、この滑らかさと節度感がいい意味で「自動車」を認識させてくれる。
ディーゼルターボは低速からのトルクがあり、街中でも少しのアクセルワークで済み、燃費とドライバビリティに優れている。ディーゼルエンジンのメリットは高速道路の燃費だけではない。低速トルクの大きさは実用域でメリットが大きい。
ちなみに今回の試乗車はクワトロで出力の大きなエンジンを搭載しているが、FFはさらに世代が進化した12Vマイルドハイブリッドで燃費がさらに向上している120kW/380Nmのエンジンを搭載する。近い将来はこのユニットがクワトロにも搭載されることになるだろう。
A5 スポーツバックは同時試乗した同じエンジンを積んだA4 アバント クワトロに比べるとボディの剛性バランスと装着タイヤの性格の違いか、A4 アバント クワトロで感じ取った骨太のクワトロ感は薄れるが、乗り心地やハンドリングがマイルドでドライバーやパッセンジャーに寄り添うような優しい印象だった。
もし意識的に作り上げているとしたら片やデザインに優れた4ドアクーペ、片やユーティリティに優れるツーリングワゴンと性格付けするなど、アウディの深謀遠慮、なかなかやりますな。
からの記事と詳細 ( 正統派クーペ×ディーゼルのアウディ「A5 スポーツバック」の乗り味とは? - Car Watch )
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