意外、と言っては失礼だが、亀梨和也主演の日テレ土曜ドラマ『レッドアイズ』がなかなかに好評だ。初回視聴率は12.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)と、同時期に始まったドラマの中では、綾瀬はるか×高橋一生W主演の『天国と地獄~サイコな2人~』に次いで2位に。 【写真を見る】大野智の本当の凄さとは… 2位といっても、注目度の高かった高畑充希主演の『にじいろカルテ』や長瀬智也主演×脚本家・宮藤官九郎の『俺の家の話』を抑えているだけに、これはなかなか立派な成績だ。また第2話が10.4%と二ケタをキープしたことを見ても、ある程度ドラマが支持されていると言っていいのではないだろうか。
芸能記者からも好評のストーリー
ではストーリーはどのようなものかというと、監視カメラを駆使して猟奇犯罪を解決していく、いわゆるサイバークライムサスペンスだ。青いコートを着た謎の男に婚約者を惨殺された捜査一課刑事の伏見響介(亀梨和也)は、犯人と思い込んだ容疑者に暴行をふるって警察を辞めることに。 それから3年、新設された神奈川県警捜査分析班で働くこととなり、数々の事件を解決しながら青いコートの男を追い続ける。が、どうやら犯人は、伏見の婚約者だけでなく、伏見と伏見を取り巻く人間全てをターゲットにしているようで……。 ……とまあ、「日テレで2019年に放映された、韓国ドラマのリメイク『ボイス 110緊急指令室』のパクリだ」という指摘も多いように、非常によくある話で、ある意味面白くなりやすいテッパンのストーリーでもある。 それゆえ『レッドアイズ』は、ドラマウォッチャーの芸能記者たちからも「思っていたより面白い」と評価は悪くない。ただ詳しく聞いてみると、その理由はどうやらストーリーの力だけではないようだ。粗が多くツッコミどころは満載なのだが、多くのドラマを見込んできた彼らですら「同時になかなか退屈させない作りで新しさを感じる」と言うのだ。
高視聴率の理由は2つある
そこで『レッドアイズ』を見続ける選択をした芸能記者たちに、その理由をさらに詳しく聞いてみた。結果見えてきた高視聴率の要因は、以下の2つではないかと思われる。 ●ネットフリックス的作り方 『レッドアイズ』で特筆すべきことは、その展開の早さだ。毎回『〇時に殺します』と予告があるなど、解決までの時間が限られているので、ダラダラと登場人物の心情が描かれるようなシーンがほとんどない。そこはサイバーものゆえ、どんどん犯人に迫っていって、短時間のアクションでさっと捕まえる。 そしてその瞬間から次の事件が起こり、一息つかせないので、犯行内容や逮捕劇が陳腐かどうか考える暇がないのだ。次回の第3話となると、同時に2つも3つもの事件が起こり始めるようで、視聴者はますますドラマに集中せざるを得ないだろう。これはある意味、ネットフリックス的手法だと、某芸能ライターは分析する。 「つまらないと感じた瞬間、すぐに視聴を打ち切られてしまう配信系ドラマは、一瞬たりとも間延びしたシーンを流したりはしません。『レッドアイズ』は、その手法を地上波でいち早く取り入れた、と言えるかもしれません。だからドラマのクオリティは置いておいて、『なんか新しい』と感じて見てしまうのだと思います」 ●考察の楽しさ もう一つのポイントは、犯人考察だ。この物語の最大の謎は、「伏見が追う犯人は一体誰なのか?」にある。昨今、犯人考察ものドラマは、SNS上で推察を語って盛り上がれることもあり、非常に人気となっている。 「最近でいえば、昨年竹内涼真が主演した『テセウスの船』が、真犯人の予測が全くつかないことからその考察で多いに盛り上がり、それがドラマ自体のヒットにもつながりました。ただこれは、竹内がタイムスリップした先で真犯人を探すというものだっただけに、考察点は“犯人は誰なのか”という一点のみでした。 また、今回ストーリーが似ていると言われる『ボイス 110緊急指令室』の場合は、最初から真犯人が伊勢谷友介であることは何となく目星がついており、見どころはどう伊勢谷を追いつめていくのか、というところにありました。 その点『レッドアイズ』は、真犯人はおろか、そもそもなぜ伏見とそのまわりの人たちが狙われるのか、というとこから全く分かりません。それゆえ考察範囲が広く、今後さらに盛り上がる可能性を秘めていると思います」 実際ネット上には、「『ボイス~』では相棒が犯人の仲間だったけど、今回もお仲間のハッカー(松村北斗)が犯人だったりして! そういえばいつも妙に軽いノリなのが怪しい……」、「登場人物の名前が伏見とか島原とか長久手とか、歴史上の戦乱の名前ばかり。今後のストーリーへの伏線か? 深読みしすぎ? (笑)」など、早くも様々な考察コメントが飛び交っている。 前述で「粗は多い」と指摘されているように、「相棒のシシド・カフカが、大事な資料を持ったまま暗くなるまでボーッとしていて、挙句拉致されるって……」、「犯人を逮捕したのに人質を探してないってあり得ないでしょ」など、たしかにディテールへのツッコミ投稿は多い。 が、“展開の早さ”、“考察の楽しさ”など、このドラマは雑なようでいて実は手堅いヒット要素を抑えているのも確かだ。『レッドアイズ』の今後の視聴率によっては、地上波ドラマのヒットの法則、というものが変わってくるかもしれない。興味深く注目していきたいところだ。
奈々子(ライター)
からの記事と詳細 ( 亀梨和也・日テレ『レッドアイズ』が高視聴率を獲得した驚きの理由…!(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
https://ift.tt/3oPIZYQ
エンタメ
0 Comments:
Post a Comment