歴史を変えてきた黒人女性に変装
チャウシア・ボイド・ロジャーズは、5歳の娘が通う幼稚園準備クラスの予定表を見てふと気づいた。「黒人歴史月間」について教えていないではないか。 「カレンダーを見ると何も計画されていなかったのです」と、彼女はその2015年2月のことを振り返る。他の文化的イベントや祝日については教えている学校なのに、黒人歴史月間はスルーされている。「だから、私が自ら娘に教えることにしました」。 ボイド・ロジャーズは、先駆者として道を切り拓いてきた多くの黒人女性の人生について娘エイヴァに伝えたかった。しかも、5歳の子が楽しみながら学べるように。 「当時のエイヴァは“おめかし”に夢中になっていました。そこで彼女に偉人の仮装をさせて、その人物が成し遂げたことや歴史上の意義を教えることにしたのです」 そうやって母と娘の毎年恒例「コスプレ・プロジェクト」は誕生した。いま11歳になったエイヴァは今年の2月も毎日、歴史を変えてきた黒人女性に変装している。 元ファーストレディーのミシェル・オバマ、ジャズシンガーのエラ・フィッツジェラルド、奴隷解放運動家のハリエット・タブマン、テニス選手のセリーナ・ウィリアムズなど、その顔触れは多彩だ。 「娘は彼女たちのなかに自分自身を見ています。黒人女性であることを誇りに感じ、自分の可能性は無限大だと思えるのです」とボイド・ロジャーズは言う。 偉大な黒人女性のポートレートと、そっくりにまねた娘の写真を並べたイメージはソーシャルメディアで共有され、反響を呼んでいる。
そっくりポートレートができるまで
母と娘はまず、まねる人物とその写真を選び、それに応じて、服とヘアスタイルとメイクを準備する。 コスチュームはすべて手作りだ。もう着なくなった服、シーツや毛布など、まねる写真の服と似ている素材や柄があれば、それを最大限に活用。エイヴァの祖母からもらったウィッグもたくさんある。 コスチュームが決まると、次は写真撮影に。もう6年の経験を積んだエイヴァは、オリジナルの写真そっくりにポーズする術を身に着けている。母親のボイド・ロジャーズが、撮った写真を編集して、オリジナルと同じ背景にしたら完成だ。 このコスプレの目的は、母娘で楽しむだけでなくエイヴァに歴史を教えることにあるため、準備には丸1年かけている。毎年2月へ向けて、エイヴァが仮装したい黒人女性を少しずつリストアップし、それぞれについてリサーチしていくのだ。 そしてボイド・ロジャーズが偉人とエイヴァを並べたイメージには、その黒人女性の人生と偉業について長いキャプションが添えられる。いわば、フォトエッセイの形となって、その写真を見た他の人たちも知識を得られるというわけだ。 ボイド・ロジャーズは言う。 「私たちの望みは、このイメージが多くの人に届いて、そこから学んでもらうことです。黒人の歴史は、アメリカの歴史であり世界の歴史であることを知ってもらいたい。黒人女性たちの功績のおかげで、今の私たちの人生が変わったことを」
からの記事と詳細 ( 母と娘の「黒人の偉人そっくりコスプレ」が可愛すぎる(クーリエ・ジャポン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
https://ift.tt/37COhRA
0 Comments:
Post a Comment