有識者の仙台城跡保存活用計画等検討委員会は3日、仙台城跡(青葉区)の大手門復元、脇櫓(やぐら)(隅櫓)の建て替えを盛り込んだ整備基本計画(2021~38年度)の最終案を了承した。巽(たつみ)門跡から本丸跡へ至る登城路の復元整備、城郭らしい景観づくりを進める「修景」などにも乗り出す。
最終案によると、大手門復元は21~30年度の10年間に測量や文献調査、発掘調査を実施する。31年度から基本設計に着手し、38年度までの完成を目指す。脇櫓は大手門と一体的に整備し、史実に沿った形で建て替える。巽門跡登城路は26年度以降に設計、施工する。
大手門と脇櫓は1945年の仙台空襲で焼失。脇櫓は67年に民間の寄付で再建されたが、屋根の形状などが史実と異なり、老朽化も進む。郡和子市長は、仙台藩祖伊達政宗の没後400年となる2036年度の復元を目標に掲げている。
現在の仙台城跡は石垣や土塁などの遺構が植栽に覆われ、市街地からの眺望が阻害されている。最終案は木々の伐採や枝切りなど修景を行い、市街地と本丸跡の双方から城郭らしい「政宗ビュー」を確保する。
委員長の北野博司東北芸術工科大教授は「市民の期待が高い大手門復元など仙台城跡の整備に向け、大きな一歩となる計画が出来上がった。市民の興味、関心に応えられるよう事業を進めてほしい」と求めた。
市教委は3月の定例教育委員会に諮り、整備基本計画を決定する。市は計画の実施に合わせ、城跡内を通る市道の廃止も検討する。
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