東京都調布市の住宅街で、東京外かく環状道路(外環道)のトンネル工事ルート上に道路陥没や空洞が生じた問題は、リニア中央新幹線予定地にも波紋を広げた。川崎市内の計画地周辺の住民らでつくる市民団体は「住宅の真下に巨大トンネルはいらない」と改めて批判、建設の中止を求めている。 (山本哲正)
東京・品川−名古屋間を結ぶリニアは、全二百八十六キロのうち首都圏などの五十五キロが大深度の地下トンネル。川崎市内でも中原区等々力から麻生区片平の十六キロにわたり地下に敷設される。二〇一八年に国交省が大深度地下(地下四十メートル以上)の使用をJR東海に認可、地権者との権利調整なしに工事を進められることになった。二一年度初めには都内で大深度工事が始まる予定だ。
外環道でも住民の反対があったにもかかわらず大深度工事が進み、今年十月に道路陥没が発生。東日本高速道路(NEXCO東日本)の有識者委員会は今月十八日の中間報告で「トンネルを掘るシールド工事が要因の一つ」と認めた。
外環道の事故を受け、川崎市と東京都町田市の住民らでつくる「リニア新幹線を考える東京・神奈川連絡会」は「外環道と同じく大深度地下を大型の掘削機『シールドマシン』で工事。同じような事故が起きる可能性がある」と危惧。懸念を指摘するチラシを計画ルート沿線の住民に約五千枚配ったほか、今月十九日には麻生区の新百合ケ丘駅近くで街頭配布をし、計画の見直しを訴えている。
JR東海は、調布市の道路陥没についてNEXCO東日本の有識者委員会の調査を注視し「情報を集める」と説明。工事の見直しをする考えは示さず、「必要な対策をきちんと講じ、工事を行うルート上の住民にあらかじめ丁寧に説明したうえで、周囲の環境へ影響がないことを確認しながら進めていく」としている。
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